『お酒は金輪際飲まない』

私はそう紙に書いて、壁に貼った。

それもこれも、おとといの自分のせいだ。

その日は嫌なことがあり、居酒屋で深酒をした。

そこで出会った人と意気投合して明け方まで呑んでいた。

「あの人は誰だったんだろう……？」

残念ながら、私の記憶からその人は消えていた。

『ピコンッ』

メッセージアプリが通知音を鳴らした。

私は自分のスマートフォンの画面を覗きこむ。

『おとといはありがとうございました。良かったらまた呑みましょう！』

どうやら壁に貼った紙はすぐに剥がすことになりそうだ。

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