番外編 勇者の帰還その2


番外編 勇者の帰還その1の続きです。前話105話との直接的な続きでは有りませんので悪しからず。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「時空魔術の充填に5秒もかけるとは時間がかかり過ぎている!!」


「分かってる!!」


 キィィンと金属音が響く中、俺は圧倒的な強者と戦っていた。相手は青紫色の長い髪をなびかせる魔族の女だ。彼女が赤いクリスタルの魔剣を俺の聖剣とぶつけ合わせ鍔迫つばぜり合いさせながら叱責する。


「この世界では最強かも知れんが別時空や並行世界はさらに強者がいる!! そんな実力では新たな魔王にすら勝てんぞ!!」


「くっ!? 分かってる……よっ!!」


 俺は聖剣に聖魔術と闇魔術を同時に付与する。聖剣に正邪の魔力を併せて相手を斬りつける。俺の必殺の一つ虚無の彼方への旅路二度と帰って来るなを放ったが簡単に弾かれた。


「ふむ、光と闇の魔力を付与させて互いに干渉させ合い双方が潰し合う衝撃波を相手に叩きつけるか……邪神の技と聞いたが?」


「ああ、正確には邪神の騎士たちが使っていた技を俺が教えてもらい使っている」


「ほう、他人の技でここまでの練度か、どうやら聖剣の力だけに頼っているわけでは無いか、まあ、あの剣の本当の力を引き出している時点で才は有るのか」


「一応は選ばれてるんだよ、王家の人間でも無いのによ」


 代々王家の人間しか使えなかった聖剣それが『地獄へ一直線』だ。王家の血族や関係の深い人間にしか抜く事が出来なかったグレスタード王国の切札で秘宝を俺はなぜか使えたのだ。


「恐らくは何らかの盟約が昔にされたのだろう、それさえ超える力がお前に有って凌駕したのか……あるいは」


「あるいは?」


「実はお前が王の隠し子とかだったりしてな?」


 そんな話をしている内に今日も一本も彼女から取れなかった。修行三日目で俺は真・超魔王セリーナに剣技でも魔法で魔術でも勝てなかった。


「スキルさえ使えれば……」


「確かに人間は神と呼ばれる存在からの恩恵、スキルが有るからな今思えば我らが始祖は神を憎んでいた」


「神様ねえ……何者なんだろ?」


 俺のとの戦いの最中で新生魔王イベドは死ぬ直前に神への呪詛のような恨みの言葉を残した。あの時の俺は最後はガイドの導きで戻れたが、代わりに感情と呼べるものを失いかけていた。


「さあな、だが貴様は例の因果律操作魔法を日に三度も使えるのだろう? 私は一度しか使えんのだ、その点はお前には勝てん」


「てか俺達が二人揃って使ったら世界が壊れるよな?」


「それもそうだな耐えられるのが三度まで四度目は使えない、私は考えた事が無かったが、お前はそういう意味で規格外か……さて休憩は終わりだ!!」


 そして俺とセリーナの特訓は夜まで続いた。俺が介入して王国周辺の魔族を殲滅してから魔族は俺が貴族戦争で滅ぼした辺境伯らの収めていた地点に結界を張り閉じこもっていた。




「それで? お前ら何の用だよ?」


 セリーナとの特訓を終え俺は王城の部屋に戻ると無駄に豪華になっている俺のベッドに下着姿のモニカと脇の椅子に座って優雅に紅茶を飲んでいるセリカが居た。


「それはもう夜伽に参りましたマイマスター!!」


「モニカが味見を、そして私が整ったら頂く事にしました」


 一応は元勇者として解説しておこう、この王国は成人は十五歳だ。そして二人は今は十七歳、よって夜伽を迫るのに問題は無い。有るのは俺の理性と倫理観だけだ。だが考えて欲しい一人は十歳の頃から知っている仕事先の上司の娘さんでもう一人も同じ年齢で、その子は彼女の義兄から託された妹のような子だ。


「……だから手は出せないんだよっ!! てかケニーはどうした、こういう時こそアイツの出番だろ!!」


「殿下は今頃は王と謁見中ですわ~」


「はい、重要な会議らしくて」


 重要な会議なら俺を呼べよ本当に王国はこういう時は俺を無視して作戦を決めるから困ったもんだ。そして王城内には魔法の使用の禁止区域が多く俺の部屋もそうなっていた。


『元勇者、いつものように魔術で逃げますか?』


(こいつらも分かってるだろうからな……ま、いざとなったら逃げるけどよ、少しは付き合ってやるよ構って欲しいんだろうなコイツらも)


 俺をあっちの世界まで追って来たコイツらにも色々と理由は有るんだろう。出来れば姉さんやルリ達の元に早く戻りたいけど実は少し俺は奥の手として考えているものが有るから余裕が有った。


『因果律操作魔法ですね、セリーナ殿が言っていた』


(ああ、あれで元の時間に戻るさ時空魔術と転移魔術じゃ時間は遡っても起こる出来事は変えられないからな)


 そんな事をガイドと話しているとバタンと扉が開かれた。開けたのは王城の伝令役の少年兵だった。


「大変失礼致します勇者カイリ様、ただいまっ――――ええっ!?」


 そして半裸のモニカとドレスを脱ぐ準備をしていたセリカを目撃してしまった。なるほど異世界ではシャワーは無いけどラッキースケベは有るんだな。ユリ姉さん、俺一つ発見したよ。


「少年の顔が真っ赤じゃないか、お前らベッドに入って体隠せ、で? 何用だ?」


「ひゃっ、いえ、じょ、女性の裸を、そのぉ」


「あ~、そういうの良いから、はよ伝令言え、試練みたいなもんだ少年」


「は、はいぃ~、さ、さすが勇者様だ……大人だぁ」


 その後、少年兵の伝令を聞くと俺は急いで部屋を出た。どうやら会議が紛糾しているらしくケニーが俺を呼んでいるとの事だった。




「失礼、入るぞ」


「勇者様、少々お待ちを入室の――――「うるせえ、入るぞ」


 会議室の門番二人を睨んで黙らせると俺は扉を開ける。見ると王とケニーそれに第一王子のルートリヒ殿下、さらに第二王子のハインリヒ殿下も居る。珍しく王家は全員揃ってるようだ。


「誰だ、そこの若者をつまみ出せ!!」


 見たこと無い中年のハゲが叫ぶが兵士は誰一人動かない。当たり前だ兵士の中で俺を知らない人間は居ない。しかし命令だから動きはする。俺は手で兵を軽く制してハゲに向かって言った。


「うっせえなお前こそ誰だ? 見ねえ顔だな」


「なっ、なにぃ!?」


「控えろカイリ、その方はエボンドボン伯、新興七大貴族の一つだ」


 そして止めに入ったのはケニーだ。第一王子は苦笑いしてるが全員相変わらずの美形だな。この王族、そんで中央の王も渋い爺さんだ。一応は六十代なはずだが詳しい年齢は知らない。


「カイリ……では、あなた様が勇者……こんな小生意気なガキが!?」


「あ~新興って事は少し前まで子爵以下か……そら知らんわ、で? 俺が居ない間にかなりの人材不足なようだな我が王よ」


「ふむ、とにかく今は控えよ快利、お前を呼んだ意味が無い」


「分かりました我が王、じゃあ壁の花に徹してますので意見の際にはお呼びを」


「うむ、頼む」


 しかし俺の態度に会議室の一同のリアクションが二つに割れた。一つは苦笑して受け入れている者、もう一つは苦虫を嚙み潰したような顔をした者だ。前者は古くから王に仕えている者達で後者は新興者だろう。


「では、話を続けよう……エルントゥーナ卿頼む」


「はい、我らが勇者が相変わらずなのを見て安心しました所で戦況と国費、そして今年度の――――」


 王から指名を受けた人物はエルントゥーナ侯爵、この世界では約半年前にマリンドラゴンという七竜の固体の一つに襲われたエルントゥーナ領の領主で四大侯爵家の最後の一つだ。どうやら俺が居ない間に七つに有力貴族が増えて、その筆頭に組み込まれたみたいだ。


(ドノンのおっさんが筆頭か……どう思う?)


『彼は調整役が限界でしょうね、カーマイン様やベクセンス様のようなリーダーシップを求めるのは無理かと現に本人が助けを求めて見てますよ?』


 ガイドの言う通りでドノンシス・シィ・エルントゥーナ侯爵が俺の方を見ていた。俺が転移して来てすぐの時は、もう少し髪の毛有ったんだけどな。そして何で揉めているかは大体理解した。


(相変わらずか……しかし金が無いか)


 つまるところ王家には金が今無い。正確に言えば魔族との戦いとセリーナ達への支援で手一杯だから貴族ども金を出せって話だ。ダメなら現物、つまり補給物資ごはんでも良いよという話だ。


『ですが難しいでしょうね、この寄せ集め貴族連合は貴族戦争の時の生き残りの弱小で、上にのさばっていた侯爵や伯爵の空位を無理に継承したのでしょう』


(ああ、加えて俺が参戦するまでは劣勢だろ? かなりの数の畑も燃えてそうだしな……てか米無いじゃんこっちの世界、どうしよ)


『ご飯の心配とか、すっかり向こうの贅沢に慣れ切ったあなたではこちらの食生活はキツイのでは?』


 そんな感じで脳内でじゃれ合っていると王が言葉を発した。


「このような状況だ、だから私の呼び出しに修行中の勇者に戻ってもらった」


 あ、そこは設定貫くのか……。ま、仕方ないと俺は考えると壁の花を止めて再び中央に戻り王の横で臣下の礼を取って跪いた。一応はこれ練習したんだぞ。勇者式土下座の次に頑張った。


「我が王、ただ今神々の視点全部丸見えで確認しました所、そこの奥の二人は隠し畑を三つほど、あとはお前、王城の監査官に金渡して年貢低く報告してるな、名前は――――」


「なっ、なななな何を!?」


「諸侯ら落ち着かれよ、勇者スキルの一つで心の中を見通す御業です」


 ケニーが俺のスキルの解説をするが新興貴族は震え上がっていた、主に六人が。自分達の隠し財産を作るのは悪くないが緊急事態だ全部出せ。


「なんだと……そんな神のような御業が、スキルだとしても有り得ん」


「何なら俺の時空魔術でこの場の全員運んで証明してやろうか?」


「待って欲しい、あれは我が領地の農民の――――「その農民を盾にして王都まで逃げて来たのがオメーだろ? ゲルンウォリン侯爵?」


 ちなみにこのグレスタード王より年上で調べたら元子爵で現在侯爵の爺が一番隠し財産を持っているようだ。おまけに一番ゲスだ。


「なぜ、名前が……まさか本当に心を……」


「我が王よ、そして殿下、私は提案致しますゲルンウォリン卿は民を犠牲に逃げ延びた卑怯者ですが資産はございます……そこで、金で手を打ちません?」


 俺のこの一言で貴族の隠し財産は次々と回収されて戦費の問題は解決された。しかし違う軋轢も生んでしまったが、ま、知らね。どうせ俺はこの問題が終わった後は帰るだけだしね。




「カイリ、もう少し上手くやってくれ……」


「今回だけだ」


「ああ、だが――――「ほっほっほ、何やら聞き覚えのある小生意気な小僧の声が聞こえると思ったらカイリではないか逃げ出したのに帰ったか?」


 俺とケニーが言い合いをしていると割って入ったのは老人の声だった。


「げっ、バリアンスの爺……」


「これは教授、王城には珍しい、ですね……」


「おお殿下、お久しゅう、それにしてもカイリお前若返ったな、あの不思議な光の先では若返ることが出来るのか?」


 この爺は一応は俺の魔法の師に当たる人間で俺が最初の魔王、つまり魔王サー・モンローを倒した時の旅のパーティーの一人の魔法使いだ。


「因果律操作魔法のことは知ってるのか?」


「ああ、セリーナ殿から教授された……そうか、あれがか……素晴らしいな。相変わらずお前はあっさりと師匠の儂を抜かして」


 少し話すと爺さんは用事を思い出したと行ってしまった。何というかアッサリしてるな、これが脳筋の二人だったらもう少し話すんだけど魔法使いと魔術師の二人は年も離れてるから意外と話す事は少なかったりした。そして翌日からは再びセリーナとの特訓の日々が待っていた。




「補給の問題の解消と諸々で決戦まで半年後だと決まった、だから修業は三ヶ月だ」


「了解、しかも時空結界内でやるから更に効果は十倍か?」


「ああ、一日で十日分、二年弱の修業期間だ……やるぞ」


 こうして俺は最強の魔族の真・超魔王のセリーナとの特訓、その第二段階が始まった。この時点で俺が転移してきて約二週間、徐々に俺は元勇者から勇者に戻りつつ有った。そして十日後つまり体感で百日後に最初の試験が有った。


「魔法の制御は問題無いな、魔術の付与も……そう言えば知っているか? この世界には裏側が有るという事実を」


「無数に有る並行世界とかの話か?」


「違う、この王国の存在する世界に裏側が有るのさ」


 セリーナの言葉の意味が「政治的な意味か?」と問いかければ短く「違う」と答えが返って来た。


「世界の裏側ねえ……何が有るんだよ?」


「この世界を支える樹が有る」


「まさか世界樹とか言わないよな?」


「なんだ知っていたか……」


 なんてこった厨二病の知識が、ユリ姉さんに教えてもらったラノベ知識がこんな所で役に立つなんて、そう言えばユリ姉さんってラノベも好きだけど正統派のファンタジー小説も好きだったな。王女とかドラゴンとか聖女とか好きなんだ。


「偶然さ、それで?」


「修行の後には、そこに行く事になる」


「何で?」


「お前にやってもらいたい事が有る、だが、まずは私に勝ってからだ行くぞ!!」


 そこで修行再開となって俺は聖剣をセリーナは魔剣を構えた。そういえば赤い魔剣の名前とか有るんだろうか、なんて考えていたらまた負けていた。正直な話、一番最初に対峙した時に戦いに来たと言っていたが、あの時に戦っていたら勝てたんだろうかと疑問だ。だって目の前の魔王に勝てる気がしないのだ。


「今日はここまでだ、私はこの後に所用が有る」


「そうか、今日もありがとうございました!!」


「ふむ、勇者よ毎回気になっていたのだが修行終わりの、その挨拶は何だ?」


「ああ、これは向こうの、俺の世界では武道は礼に始まり礼に終わるって言う文化が有ってさ……向こうに戻った時に思い出したんだ」


 エリ姉さんに虐待紛いの特訓を受けていた時はもちろん普段の躾でも俺は挨拶や礼儀作法は仕込まれていた。こっちの世界でも無駄にお辞儀した覚えが有ったが違和感は今日まで感じていなかった。


「そういえば何でお前はお辞儀とかしないんだ?」


「お辞儀とは頭を下げるあれか? あれはこの国独特の文化だ、いやこの世界の人間かも知れんが、とにかく魔族は知らんぞ?」


 そうだったのか、転移して来てから普通にお辞儀に正座とかしてたけど、日本ぽい文化が多くて俺は馴染めたが今思えば変だ。そんな事を考えながら俺は風呂に入る。今考えたらこれも変だ。

 風呂って昔はローマとか一部にしか無かったし……まあ、異世界だからかもしれないかなっと思って俺は檜風呂に浸かって疲れを癒した。




「はぁ、はぁ……どうだ?」


「ああ、見事だ確かに一本だな」


 この日、修行開始から一ヶ月目、大体、三十日目の日に剣だけの戦いならセリーナと互角になった。俺の剣術はそもそもが我流だ。エリ姉さんに教えてもらった剣道がベースだったが昔の仲間の剣士の流派などを混ぜて今の俺の剣技が完成していた。


「最初は剣技もまともでは無かったのにな……」


「お前のおかげだ、矯正してくれたろ?」


 そしてさらに二ヵ月後つまり修行開始から三ヵ月、結界内での修業では九百日だから一年以上の修行経験を積んだ事になる。毎回、結界内で修行した後に外に出ると時差ボケのような感覚に陥る。


「魔法や魔術も私が手加減する必要は無いようだ……」


「まあな……」


「それにしても勇者よ……何か大きくなってないか?」


「そうか?」


 この後にモニカやセリカに気付いてなかったのかと驚かれた。そう、実は俺の身長はこの時には既に180センチに近付き、俺は肉体だけならこの時点で十八歳になっていた。


「ああ、そうだ。やはりお前の弱体化の原因の一つは肉体そのものが未発達な事も有ったようだ」


「ああ、確かに向こうでサー・モンローと再戦した時も魔力もそうだったけど俺の体、デカかったもんな……まさか今の俺、あれくらいになってんのか!?」


 そんな話をして今日も修行が終わりかと思っていたら不意にセリーナがポツリと言った。


「なら、来週はいよいよ私と本気の手合わせだ……頼むぞ勇者?」


「もうかよ……殺す気で行っていいんだよな?」


「違うな勇者、殺す気では無い、殺せ……文字通りその覚悟で来い、ここに居るのはお前を滅する魔族ぞ? ふっ、では明日以降は互いに技を磨き本番に備えようじゃないか、ではな」




 そして決戦の日はあっという間に訪れた。俺はこの日のためにケニーやモニカとセリカと特訓をしていた。ガイドにもわざと自分の体に枷を付けてもらい三人と同時に戦って鍛錬を積んでいた。そして英雄がどちらかを決める事になった。


「我が一族のために……」

「早く家に帰るために……」


 俺は聖剣を構えた。奴も魔剣を構えた……互いにいつものように自然と、立会人は誰も居ない。俺たちが本気でぶつかった場合どうなるか分からないから王城の演習場に互いに強固な結界を張って戦闘区域を定めた。


「まずは小手調べ!!」


 セリーナは今日は青い鎧を着ていた。どうやらあれが本気の装備らしく俺と初めて会った時や普段の修行中のローブ姿は彼女の感覚でジャージとTシャツのような恰好だったらしい。


「速い!?」


 俺も当然の事ながら鎧を装備して戦っている。互いに鎧がガンガンぶつかり合いながらも激しい剣戟が続く。当たり前ながら時間魔法を駆使して既に音速の域で戦闘を行っていて徐々に光速に近付いている。


「どうした勇者!! そんな事では帰って愛しい女共に会えんぞ!!」


「くっ、それもそうだな!!」


 奴の赤い魔剣が輝き黒い闇の剣圧がオーラの刃のように飛んでくる。それを聖剣で弾きながら俺は最初から全力で聖なる一撃を放つ。


「凄まじいな、それは!?」


 だが光の奔流を弾き、またはギリギリで交わしながらセリーナは俺の一撃をしのいだ。そして今度は奴の魔剣が怪しく輝き出す。


「では、私の一撃も受けてもらうぞ!! 滅する斬撃……我が敵を滅ぼせ!!」


 圧倒的な赤い光の奔流が放たれ俺も対応するように再び聖なる一撃を放つ。大出力の必殺を互いに放ち、俺達は互いに力尽きるまでひたすら戦った。そして俺の一撃が青い鎧ごとセリーナを貫いた。


「これが、俺の答えだ……セリーナ」


「くっ、ふふふ、何だ? 今の技は……そうか、私は負けたか……」



勇者の帰還その3へ続く

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