②➍

おおだまころがし


・クリア条件


指定された場所にある大玉一個をゴールまで、指定された場所まで運べ。


・準備段階


三十秒。

会場に転送されるのほぼ同時に頭の中にテレパシーで伝わってくる。

一方通行で質問はできない。


・競技会場


転送された背後、ある線から向こうにずらりと、直径2mほどの歪な大玉が並んでいる。

転送された正面は壊れた城壁、燃える民家、中世ヨーロッパを思わせる戦場が広がっている。

戦場では、鎧に盾に槍と剣と弓と斧で武装した戦士たちが、『レイ派』と『アスカ派』に分かれて血みどろの殺し合いを続けている。民間人や女子供は全部死体、王様や将軍など派をまとめるものの姿もなく、個人が命令なく殺し合いを続けている泥沼。

その戦場を超えた先にある何もない真っ白な空間が指定された場所、ゴールとなる。

ゴールに近づくにつれて戦いは苛烈になり、空からはドラゴン、地表には巨大ネズミ、暗がりからは亡者どもが湧き出てくる。


・ルール


歪な大玉をゴールまで運べばクリアとなる。


・裏ルール


大玉はどれでも構わないし、砕けていても全体の80%を運び込めればクリアと認められる。また名前通りに転がす必要はない。

殺し合いを続けている者たちとは意思の疎通はできても融和は不可能、必ず覆いかかって来るため、仲間に引き入れることはできない。

大玉が並ぶ向こう側とゴールの向こう側は戦う戦士達には認識できな空間で、攻撃することも攻撃が通ることもない安全地帯となっている。

大玉は実は巨大な麦の一粒だとわかる。なのでネズミが齧ってしまう。

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