最高幹部 五華登場
———門番の男二人に連れられて魔法エレベーターと言う物に乗り込み、下の階へと降りて行く。5と書かれた数字が壁に浮かび上がった事から地下5階まで降ろされたと分かった
確か地下5階は大規模な訓練場だったはず‥‥そんなとこで会議を?
色々考察しながら歩いていると、訓練場を無視して止まる事なく更に奥へと進んでいく
どうやら訓練場の奥らしいが初めて知ったぞ。こんな奥があること!
それで行き着く先にはとんでもなくでかい扉が禍々しいデザインで聳え立っていた。両開きの扉は開いていてその内部を強引に見せてくる
横幅がとてもあり20mは確実にありそうだ。奥行きが凄まじく50mはある。それで横幅にずらりと配下が奥までびっしりと並んでいる
一体何人いるんだ?確実に2年前よりは大勢いる‥‥見た感じ男女比は男4の女6だな。ここは前とあまり変わらないようだ
また天井には装飾が施され金や銀など煌びやかに輝き、黒い段幕が天井から吊るされている。富をこれでもかと見せびらかしているな‥‥‥まるで王の道じゃないか
奥行きが長い通路のように伸びている事から紅いカーペットが先まで続いている
そのカーペットに一切足を踏み入れない配下。このカーペットが配下達にとってどれほど偉大な道かを教えてくれる
カーペットの先は数段の階段でスキップフロアにデザインされている
おそらくそこが会議の重鎮だろうことは予想できた
そしてその数段上に位置し、目にして思わず眼を見開いてしまった物が存在していた。配下、富、権力のそれらよりも一番輝き、神秘的な雰囲気を醸し出す物が最奥に位置する。それは王や帝位、統治者にしか座ることを許されていない至高の代物
———たった一つの“玉座”が存在していた
「おい、何を突っ立っている歩け!絶対にカーペットに足を踏み入れるなよ」
門番の男に強引に連れられ扉から少し奥の列に並べられ膝を尽かされた
その時、扉の外から物音が聞こえると一緒に横に並んでいる配下が一分も違わぬ動きで一斉に頭を下げる。
そして跪き始めた
————コツ コツ コツ
静寂の中、女性のヒールのような足音がこの室内に響き渡る。一人の足音ではなく複数の足音。次第に足音は大きく近付いてきて、“5人の人影が悠々と現れた
5人の姿が視界に入ると横に並んでいる配下達が息をするように騒めきだした
「おお‥‥“五華”を一堂にお目にかかれるとは‥‥」
「なんとお美しい‥‥5人揃うなんて私、初めて見たわ」
「ああ‥‥これは夢のようだわぁ」
「なんと気高いのだろう‥‥偉大なるお方が5人も揃うとは体が強張る」
「はぁ‥‥息ができないわぁ」
そんな配下達の漏れでた声を無視する5人
同じ黒いドレスを身に纏い、奥深しい気品を宿し優雅に歩いて行く5人の女性
5人は横に並びながら歩き、真ん中に位置する黒髪の女性が少し先頭を歩いている
一人は清楚なロングの黒髪に切長の黒い眼を宿す女性
一人は蒼髪をポニーテールに束ね蒼眼を宿すエルフの女性
一人はロングの銀髪に銀色の眼を宿す女性
一人はアイボリー色の髪を腰まで伸ばし黄金の眼を宿す褐色肌の女性
一人は紅く長い髪を背中まで巻き、紅い眼を宿す女性
そして俺が跪く列の位置まで歩いてくる妖艶な5人の女性達
(おいおい、見たことある女性たちじゃないか。随分と配下に慕われているな。羨ましいよ、て言うか気づいてくれないかな?)
俺は縛られ身動きできない様にされているが声を出そうと思えば出せる。しかし俺は一応侵入者な訳でそこは弁えよう‥‥いやそもそもここ俺の基地じゃん
そして等々、俺の正面まで歩いてきた5人。このまま気付かれないのかと少し悲しくなってきたが先頭を歩く見知った女性が足を止めこちらに体を向けてきた
女性はこちらに歩いてくるとその麗しい唇を開き話しかけてくる
「———貴方、そこで何をしているの?」
「わ、私めでご、ご、ございますか?!」
「貴方じゃないわ。そっちの彼よ」
どうやら門番の男は自分に話しかけてきたと思ったらしくすごく慌てている。挙動不審すぎないか? めっちゃ顔も赤いし、これは恋したな
男の俺なら分かるよ君の気持ちは‥‥‥嬉しいよな憧れの女性に話しかけられるのって。しかもこの場面だと自分だけ?!とかなるから尚更期待しちゃうもんな‥‥!
「か、彼は侵入者でございます!後にこの者を拷問し情報を聞き出そうかと‥‥」
お前が喋ってどうするよ、せっかく俺が話すタイミングだったのに。またやってくれたな。もう一人の門番はなんかがっかりしているしなんなんだお前達は‥‥
「彼が侵入者?なるほどね、そうなるわよね。じゃあ解いてくれる?」
「は、ははぁ!貴方様のご命令とあらば」
と言うことで縄を解いてくれてありがとう。門番くん。ようやく解放された
「ふぅ、ありがとう。それより久しぶりだな“ファシーノ”。それと皆?あれ一人増えてる?」
「主よ、久しいな」
「久しぶりですぅ!」
「お久しぶりでございます」
「‥‥‥」
他の四人は久しぶりで知っているがこの紅い髪の女性は新入りだろうか。と言うか先日見たことあるんだが‥‥説明を求めるようにファシーノに視線を投げた
「はぁ、いないと思ったらこんなとこにいるのだもの。その説明はあそこでしましょ?」
「オッケー」
と言うことで5人と一緒に紅いカーペットを歩く。
5人と共に歩く俺を配下は目を白黒とさせてそれはもう目が飛び出る程に凝視していた‥‥
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