女子会 後
———レオンが去った後の三人は女子会というのに非常に盛り上がっていた
「———それでファシーノ様はレオン様とどのように出会ったのですか?」
デリカートがファシーノとレオンとの馴れ初めを聞き出そうと身を乗り出す
そんなデリカートは直に質問をするとファシーノは照れながら語り出した
「え、ええ。そうね‥‥もともと私は貴族出身なのだけど、捨てられてね。何でも私の魔力は少ない、さらに能力も低いって事で追放されたのよ」
ファシーノの過去を聞き、デリカートとヴァルネラは哀しい表情をする
「そうだったんですか‥‥貴族というと私には遠い存在としか思ったことがなかったです」
「ふふふ。貴方に比べたら親もいたしまだ良い方だったわね」
ファシーノがデリカートを庇う言い方をするがデリカートは違うと返す
「確かにそうですけど‥‥でも親がいながら子を捨てるなどもっと心が痛いです‥‥」
デリカートはとても優しく相手の気持ちを理解できる子
同情したのか目に涙を潤しだした
「でもね。それであの人に救われ、そして出会えたのだから今では感謝しているわ」
「うぅぅ。なんて感動的なんでしょぅ‥‥‥涙が止まりませんぅ」
そんなデリカートを黙って聞いていたヴァルネラが優しく頭を撫でた
「‥‥‥二人とも悲惨な過去を歩んできたのだな。我には人類というものはよく深い生き物と思っている。しかし欲に塗れた人類の中にもお前たちのような存在がいることも知っておる。こうして主に救われ出会ったのだ‥‥まさに運命というべきだな」
ヴァルネラが一人語ると二人もそれに頷く
「ええ。そうね‥‥これは運命ね」
「運命ですか‥‥とても素敵です」
「それに私とデリカートの中には彼の魔力が宿っているわ。いつでも彼を感じられることにもっと喜ばないとね?」
ファシーノが胸に手を当てて魔力を流す
その光景は女神すらも嫉妬してしまいそうな姿をしている
「そうですね。レオン様の魔力は凄まじいです」
「はっはっは!二人はレオンに夢中ではないか!しかし!我がいただくがな!」
ヴァルネラが宣戦布告とも取れる言葉を放つ
それに聞き耳を立て二人は異を唱える
「それはダメよ!数年は待てって言われたわ!それに私が最初よ!」
「そうです!順番です!例えヴァルネラ様でも譲れないです!」
「何を言っておる。我はもう大人だ。いつでもレオンを夜這いできるわ!」
ヴァルネラの爆弾発言に二人はついに立ち上がる
「そろそろ決着をつけないといけないようね‥‥」
「はい。今が頃合いかと‥‥」
二人はヴァルネラに詰めよるがヴァルネラはその大きな胸を張り堂々と立ち上がる
「やってみるが良い。小娘ども」
この夜をきっかけに女子の間ではあるルールが設けられた
女子会というものはいつか殺人を犯すかもしれない‥‥
と結局盗み聞きしていたレオンは思ったのだ
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