虚無の統括者 〜裏では悪の組織と最強の配下を統べる主です!勿論、友人達には正体隠してます!〜

サメ狐

組織結成編 少年期 一章

別れと出会い 

——Xxx年 この世界は実力、階級が全て。全ての生物に魔法が存在する世界。


——凡そ5000年前の虚無の時代、全人口の半分以上が亡くなる大戦が勃発した。またその大戦の引き金となった人物も存在したのだった‥‥


——彼は(神の住まう楽園)へと辿り着き、そこの木にみのる果実を食してしまう。して神にそのことが露見し神は激怒し、神の逆鱗に触れ、全生物の住まう地上に厄災をもたらした。


——凶暴な魔獣、天候による大災害。地上の人々は団結し、侵攻を食い止めようと仲間の死体を踏みながら前へ進み続けた


——地上の生物の半数は死に絶え、大陸の中央に災害がもたらした広大な湖が出現した。それから100年の時が経ち、神の怒りは鎮まり大地に平和が訪れた


大戦後、人族、魔族、エルフ、天族、獣族の五種族の王達は和平を結び、いかなる厄災にも対抗するため、魔力を扱い魔法での戦闘を基準に一人一人に階級を設けた


後に全種族が一致し”全階級制定協会を設立。

SSS・SS・S・A・B・C・D・E・Fの9つの階級に分ける事を決めた

また各国の均衡を保つため、この世に5名しか存在しないSSSランク選ばれし者セレツィオナートを各国に1名ずつ選出し配置した。


そんなSSSランクの五名は何故に選ばれてきたのか‥‥

それは可視化できる魔力ヴィズアリタを唯一持つ者だからである。 


最強無敗の力を秘め、各国の最終戦力とまで称されている5人の魔法、魔力

SSランクやSランクが束になろうとたった一人のSSSランクに敵わない

絶対的な力と象徴こそがSSSランクの所以。 故に選ばれし者セレツィオナートと何千年も呼ばれ、代変わりをしてきた


また地上の大陸には四つの種族が住んでいる。その大陸の中央に5000年前の大戦の産物でもある、とても広大な湖が広がる。そして湖の上空には天族が住んでいる天界が存在する。天界と称してもそこまで上空にある訳ではなく、500mほど上空に位置する浮遊島である



◊◊◊



——それから年月が流れる


大昔の大戦は”神話の戦いと童話に変えられ、少しずつ歴史の事実がねじ曲がっていき、人類同士で平和を結んだにも関わらず国同士が軍を築き私欲し、戦争が後をたたなくなった


”ある人物が厄災を引き起こしたなど誰も知らずに——


——そんなある日、人族の王国チリエージョの地に少年が生まれた。王都近くの町マルゲリータ。庶民であるジャルディーノ家の息子レオン=ジャルディーノ。

彼がこの物語の主人公である。



◊◊◊



———俺が生まれて8年が過ぎた頃の8歳の記憶———


父のバルサはマルゲリータ出身。

剣士で昔は魔獣などを討伐し、金銭に変えて日々を過ごしていたらしく

母のアリマは王都の城壁内出身で、魔法を得意としていて学園にも通っていたという。父と母が出会ったのは俺が生まれる2年前に母が魔獣に襲われていたとこを父が助けたのだと言う


なんと良い話だ 


——休日の昼。父バルサと母アリマと共に家の近くの森で遊んでいた。

この町は森に囲まれていて、森の中は魔獣などが潜めいている。


さて、俺は今何をしているかというと森で迷ってしまった。自分が方向音痴なのか。また、たまたまこの森が迷い易いのかはわからない。魔獣に怯えながら森を彷徨っていると、茂みの奥で黒いローブを着ている謎の集団を見つけてしまう


「——誰だッ!」


と息を潜めていたが、俺に気づいた一人が躊躇いなくいきなり魔法を放ってきた


「——っ!」 


俺の目の前に魔法が現れ、俺は死を悟った。痛みもなく死ぬのか、酷い苦痛で死ぬのかと‥‥‥思っていた。


しかし、いつまで経っても俺に直撃しなかった。俺は瞑った目を開くと、とっさに庇った父バルサに直撃していた。


「——カハァッ!」


「——ッ!と、父さんッ!」


魔法をもろに喰らい胸に風穴を開けた父はそのまま俺の瞳を見つめながら息を引き取り帰らぬ人となってしまった‥‥‥


「——ハァハァ‥‥あなたッ!」


母マリアも駆け付け俺を強く抱きしめ守ろうとする。しかし父同様、背中に魔法をもろに喰らってしまった。


「ウッ!あなただけでも逃げてっ‥‥‥!」


「母さん!死なないでよ!ねえ!ねえ!お願い‥‥一人は嫌だ‥‥」


俺は目を赤くし涙を流し母の胸から出ようとしなかった。それを観かねた母は最後の言葉を弱々しい声で俺に語りかける。


「大丈夫‥‥あなたは強い子だわ 私の自慢の子だもの‥‥生きて、生き延びて幸せにお成りなさい。父さんと母さんはいつまでも貴方の味方よ‥‥レオン」


———ああ。なんで人はこうもあっさり死んでしまうのだろう。この時、俺の中で何かが壊れたような気がしたのを今でも鮮明に覚えている。


「父さんと母さんが何をした?」


なぜ‥‥なぜ死ななければならない


その刹那、体内から謎の魔力が漏れ出る。黒く濃密で荒々しい魔力。意識が遠のくほどの激痛が身体中に走り‥‥


『殺す。殺してやる』 この言葉だけしか頭に思い浮かばなかった


激痛に心も身体も蝕まれる中、母と父の死体が瞳に映ると先ほどの母の言葉を思い出す


『生きて‥生き延びて‥‥』


母の最後の言葉が意識を駆り立て、自我を戻していく


「ハァ‥‥‥ハァ‥‥!」


意識が戻り目を覚醒させる。まだ体が痺れて思い通りに動けない

なんとか踏ん張り、重い足を一歩踏み込んだ


そして、ただ浸すらに逃げた。俺は逃げて逃げて逃げ切った。全身血だらけになりながら、自分の弱さを憎みながら家へと帰還した



———それから軍が派遣されたが黒いローブ達の姿はなかったと言う


父と母の死体が町で埋葬された日から毎日泣き、悔やみ、絶望に耽った。しかし父も母も戻ってはこない。悲しみも怒りも弱さも全てを己が強くなるため、その日から魔法に剣に打ち込んだ。  


同年代の友達とも顔を合わせず毎日毎日打ち込んだ。して全て独学


時折、魔獣を狩に町の近くまで来る階級が高位な者の魔法や剣技を真似て自分なりにアレンジし盗み、改良し強力な魔法に繊細な剣技に改良していった。


血の滲む努力。毎日魔獣との死闘。たかが5歳程度の子供がする鍛錬にしては過剰すぎる。腕や足が折れようが、指が、肢体が斬られ取られようが回復魔法で全て治した。このおかげで回復魔法も鍛えられた。無理やり鍛えたと言う方が正しいかもしれない。



◊◊◊



———そして月日が流れる事5年後の現在


「———またあの夢か‥‥‥」


悪夢のような夢から覚める。あれから5年、俺は13歳になった。この世界で13歳になると少年少女は全階級制定協会の試験を受けるために王都まで移動する。そこで知識や魔法能力などを測り、現状の階級が書かれたカードが渡される。いわば身分証明書だ。


世界の総人口1000万人。その中13歳にしてDランクがとても優秀な値とされている。 


そして同級生は皆、試験を終え帰って来ている。喜んでいる者、納得していない者と様々いる。


ん?俺は受けていないのかって?

はあ‥‥‥こんなくだらないことしてるなら森へ行くさ


また同級生では一番人気で可愛いい、アザレア、ベラ、カメリアたちはとても優秀だったようだ。何と三人共Cランクを叩き出して来たようだ。


理不尽にも天才はいたのだな。


補足をするならこの町一番の魔法剣士はCランクである。僅か13歳にして同等と言う訳だ。


補足をするならばアザレアは金髪で切れ長の美人。ベラは黒髪で切れ長の胸が大きい子。カメリアは黒髪優しい青目の大人な雰囲気漂う子。三人とも昔はよく一緒に遊んでいた。あの事件をきっかけにキッパリと遊ばなくなったが‥‥


またみんなからはただ家に引きこもっている奴と思われている。実際は森に行き来しているのだが、まあ良い。


「レオン。あんた試験受けず何してるの」 


「レオンくん‥‥」


「あらら〜。何をしているの?」


家の外でばったりと会ってしまい三人と目が合い話しかけてきた。

俺は頭をかきながらめんどくさそうに会話をする


「あ〜俺はそういうのいいわ。試験とか階級とか堅苦しいし。」


そんな俺のやる気の無い回答を聞きアザレアは真剣な眼差しで‥‥怒った。


「はあ?何よそれ‥‥ 階級は身分を証明する証で階級が高ければ優遇され、学園でも推薦が許されているのよ? 将来が約束されているのよ?何を考えているのよ!まあ王都の学園は18歳からだし、あと5年は猶予あるけど‥‥いい加減シャキッとしなさい!」


うん。補足説明をありがとうアザレア。そしてなんで俺が学園へと行く流れになっているの?


「そうだよ。レオンくん。もしAランクやSランクにでもなれたら軍や国でも超貴重な戦力として後世にも名前が残るし、世界中に広まるし!また夢かもしれないけどSSにでもなれたら歴史に残るし!」


ああうん。ありがとう。確かに夢の話だな‥‥


SSSになれる夢はないの?


「そうね〜。アザレアとベラの言う通り階級はとても大切だわ。王都の人族魔法剣士軍(人族軍)入隊も夢ではないわね」


確かに彼女らの言う通りである。だが何も魅力は感じないし別にどうでもいい。俺にはやるべき事があるからな。そのためにまだ俺は今のままでいい。


「ははは…。俺はなんとかしとくよ」


まあこんな感じでいいか。彼女たちからさっさと離れて今日のノルマでもやっておくか。


「レオン。変わってしまったのね…昔の貴方は輝いていたわ‥‥あの事件の事はとても私には計り知れない悲しみだったのでしょうけど‥‥‥」


アザレアは遠くを見つめながら目を合わせずに呟いた。そんな中その場から何も言わずに俺は去っていった。後悔はない‥‥


でも彼女たちや同級生たちの実力がどんなものか見ておきたかったな。


そんなことを考えながら森へと入って行った。

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