第5話 神話 前編
「まず、襲ってきた相手の名前はネグルテネーブル。 私の姉弟のような存在です」
「なぜエマリーバ様の姉弟の様な神様がノア君を襲ったんですか?」
「それは話せば長くなります。 この神々の世界から説明しなければなりません」
静かにエマリーバは話し始めた。
神々の世界は2柱の神から始まった。1柱の神は世界を作り神々を創造し全ての母になった。名をアリアユニエステレラ。もう1柱神はその圧倒的な力でその世界を守護し、神々を見守り神々の父となった。名をオスキュリテコースマス。2人はまず初めに自分達の子供を9柱創った。ユーピテル、天空を司り、創造の力を持つ神。エマリーバ、母と同じ力である創造と破壊、生と死、再生を司る神。オーディン、父と同じ力である時間と空間、天空、無属性を司る神。ソルプロクス、火とマグマ、司る神。太陽神でもある。ユーラオルム、水と氷を司る神。アネモスルフト、風と智を司る神。スオーロエレツ、大地と植物を司る神。ルーチェトネール、光と雷を司る神。ネグルテネーブル、闇を司る神。月神でもある。
子供達はそれぞれの司る力で世界を管理し始めた。世界はそれはもう美しく輝いていた。それからしばらくすると新しい命が芽生え始めた。色々な神、天使、聖獣、精霊、妖精が生まれた。神の世界は賑やかになっていった。
しかし長い時が経った頃アリアユニエステレラはもう一つ世界を創造した。神の世界よりも小さな世界。その世界を管理する者を子供達の中から選んだ。天空を司り、創造の力を持つユーピテルなら世界を管理出来るだろうとアリアユニエステレラは思い選んだ。
ユーピテルは世界の名をレユアンと決めた。それからユーピテルは世界を管理する神達を創造し、世界を豊かにしていった。ユーピテルはこの世界を管理していく中自分達、神のみだけではつまらないと思い始めた。そこでユーピテルは神のような力を持たぬ生命、人間を創った。そのほかにも様々な生命を創り、見守った。神からしたら弱く短命な人間は弱いながらも一生懸命に生き、ユーピテルはそんな人間を優しく見守り時には助言をしていた。
しかし、ユーピテルが創造した神の中には人間のような弱き者を嫌う神もいた。その神達はユーピテルが人間に構うのが面白くなかった。だからユーピテルに人間はいらないと言ってもユーピテルは人間は弱いゆえに見守り、守らなくてはいけません。と言う。ユーピテルにとっては創造した神達も人間もどちらも自分の子供ようで愛おしかった。だから一緒に見守ってほしいと願った。だが、そう上手くはいかなかった。
人間を嫌う神達は自分の眷属達を率いてユーピテルに戦いを挑みました。そして神達の中で争いが始まった。ユーピテルは創造の力は持っているが破壊の力は持っていない。そんなレユアンのことを知った母アリアユニエステレラは破壊の力でその神達を消滅しようとユーピテルにいった。しかし、ユーピテルは自分の力で解決するといい見守ってほしいと母に願った。アリアユニエステレラはもし助けが必要ならば言いなさいといい自分の世界に戻っていった。ユーピテルは懸命に説得を試みたが聞く耳を持ってはくれず争いは酷くなるばかり。世界は美しく、豊かだったものが消え、暴力や悪がはびこっていた。やがて負の感情に包まれた大地はかつての美しさなどなくなっていた。人間も世界が平和な時は無かった負の感情が大地を伝い醜い感情が生まれた。人間達も神達と同じように人同士で争い始めた。その事に気づいたユーピテルら神はこの世界レユアンが崩壊しないよう人間を嫌う神達を倒す決断をし、倒した。こうして争いは終わったが世界は混沌に包まれていた。そんな世界を見たユーピテルは悲しみ天空が黒く染まった。
ユーピテルが悲しみに暮れる中ひっそりと生まれた存在がいた。神達の流した血から生まれ数多の負の感情を集め、力を持った邪神。名をカオス。カオスはこの混沌に包まれた世界が居心地が良かった。世界が負の感情に包まれる程に彼の力が増していった。しだいにカオスはこの世界が欲しくなった。そう思うと争いで疲弊していた神達の力を奪っていった。ユーピテルが気づいた時には止められない程の力を得ていた。カオスは創造神であるユーピテルに戦いに挑んだ。ユーピテルが圧倒的に勝つと思っていたが、疲弊して悲しみの感情になっていたため不意を突かれた。その一瞬で力を奪われてしまった。カオスはその瞬間レユアンの主神となった。レユアンは混沌、闇の力、負の力が支配する落園となった。
世界を、力を、奪われたユーピテルだったが最後の力を絞ってカオスがこの世界から出れないようにした。カオスは激怒し、ユーピテルを消滅させようとしたとき母であるアリアユニエステレラがユーピテルの魂を迎えに来た。アリアユニエステレラは見ていたこの世界を。ユーピテルが傷つき、悲しみにあったことも。だから自分の中に入れ、眠りにつかせた。そしてこの世界を創世した神として破壊しようとした。だか、黙って見ているカオスではない。カオスの力はユーピテルの力を奪った為に強大になっていた。アリアユニエステレラは自分の中で眠っているユーピテルの事を考え、その世界を自分の領域から切り離し、隔離した。こうしてレユアンは魔の者達が住む世界となっていった。
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