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跳躍への応援コメント
私が高校生の頃、佐藤さんの小説に眠る「血の通った若さ」に圧倒された記憶があります。相方の浅雪ささめと、同世代でこれを書ける子がいるのか、なんて帰り道で話していました。
今作はそんな佐藤さんの鋭さが、いまも鮮やかに生きていることを教えてくれるものでした。陸上競技に駆ける登場人物、水たまりの跳ねる音、透き通った雨上がりの景色も、青くそこに輝いていました。深く尊敬いたします。
余談ですが、私は最近、児童館で働いています。そこでもブロックを並べてそれを飛び越える子どもがいて。そうだ、私も小さい頃は、飛ぶのが好きだった。そんな風に懐かしく見ていました。ただ今の私には、小学生を書くことができません。水たまりも飛べないし、『田中カメレオン』も書けません。感性が移ってしまうのです。
しかし佐藤さんは違います。ずっと新鮮な文章が広がって、変わらない才能がある。陸上でライバルを追う主人公と、妹の背中を追い『文字を紡ぐ』佐藤さん。私は勝手にそれらを繋いで、読む癖があります。するとなんだかこの作品が「陸上競技」だけに収まらないものである気がして、だからこそ陸上を知らない読者にも刺さるのか、なんて。久しぶりに読んでも、胸を打つものがありました。
最後に自主企画『カクヨム甲子園児だった、けど! またカクヨム甲子園出たいよな!?』を主催していただきありがとうございます。筆を折る同世代もいる中で、佐藤さんがまだ書いているのを知れて、嬉しかったです。文章というグラウンドで飛ぶ佐藤さんを、これからも応援席から見守っています!
作者からの返信
秋冬遥夏さま。
ずっとずっと読んでくださってありがとうございます。あなたのような読者さまに支えられているから、私は陸上を書き続けようと思えるんです。本当にありがとうございます。
私も高校生の頃、「田中カメレオン」に衝撃を受けていました。たしかに、同世代のカクヨム甲子園で戦った仲間たちはひっそりとしているかもしれません。それでも、あの夏は私も秋冬遥夏さんも、みんなみんな文章を全力で!熱量いっぱいに書いていたことが改めて知ることが出来ました。大人になってしまったから見えることも、あの時だから見えたことも、文章を紡いで読み返して、それからやっと分かることみたいですね。
素敵な応援コメントありがとうございました!
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じまんになりたいへの応援コメント
何度も応援コメント失礼いたします。
二部構成になって視点が変わるあり方が、この小説に固くハマっていると感じました。一部は一成くんの一人称で青春を生きる心情が鮮明に描けており、それゆえに相手の利久くんの心情が読めない点もありました。しかし二部構成となったことで、反対側からも見ることができる。ひとつの万華鏡をどっちの穴からも見れるような、そんな構成に胸が鳴りました。
ふたりとも悔しいという思いや焦りを抱えながら、その裏には「自分なら勝てる」という希望が見えている。若く尖った感性を、いまだに書き続ける佐藤さんの筆に圧倒されます。青く踊る作品をありがとうございました。
作者からの返信
後半も読んでくださったんですね!ありがとうございます。
本作は中学生のお話ですが、私は普段、小学生と関わる機会がとっても多いです。子どもたちの自分軸で考える世界観、大人がハッとするような澄み切った目で見ている世界を、今回のお話でおすそ分けできたなら幸いです。
素敵な感想、ありがとうございました!これからもがんばります!!