異世界はバラ色に

里中 圭

プロローグ

 創造神ザリアが光と闇を作った。豊穣神ソバクが土と水と木を作り、軍神キリアが火と風を作った。そうして惑星パトリアができた。パトリアは魔素に満ち溢れていた。そして動物が誕生した。動物たちは精霊に支えられ、様々な進化を遂げていった。その最高峰たる存在として4匹の龍が生まれた。龍たちは精霊をも支配しようとした。精霊は龍から離れ隠れてしまった。その後4匹の龍は互いに争い、パトリアの唯一の大陸を破壊していった。争いをやめさせようと豊穣神ソバクは大陸を4つに分けた。そして4つの大陸ができた。


 4匹の龍のうち最も大きく力を持っていた黒帝龍イグナシオが中央の大陸を、白帝龍シャイアスが北の大陸を赤帝龍サマルカンが南の大陸を支配した。そして4つ目の大陸を蒼帝龍ファジルカが支配した。


 龍たちの争いが収まり、再び自然が息づいてきた。そうして様々な進化のあと人族が生まれた。


 ◇ ◇ ◇


 今日は黒帝龍の30日、イグナシオ大陸にある国々の国民は、夜明け前から起き出して日の出を待つ。夜のとばりが明け、だんだんと空が明るくなってくる。いつもなら青い空に白く輝く太陽が現れるはずなのに、この日は違う。薄紅色の空に、紅色の太陽が昇ってくる。国中がバラ色に染まる瞬間だ。そしてこのバラ色に染まる日に奇跡が起こるといわれている。

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