騎士団の会議

王国の首都キングスシティの王国騎士団の詰め所で会議が始まる。


「事態は一刻の猶予もありません、 マリラーシティは大混乱に陥っています」

「・・・・・」


秘書の言葉にカルは項垂れていた。


「ブラックヤード刑務所のレベルマックスから脱獄した

元"影法師"のリーダー、 ダーク・セイバー

元"宝石の剣”の戦闘員、 ハイエンド・ヴァンデッド

狂った神父ブラッド・アルター

異世界の勇者シン・ジョー、 ゴールド・ジャンキー

アシッド・マスター、 アンガー・アンカー

カルト教団"地下聖堂会"教祖アンダー・ドッグ

ラフ・メイカー、 クロック・マニア、 カーボン・フェイス

ネクスト・キング、 ドラゴン・スキン、 デマ・ハット、 ノベル・ヒーロー

トロフィー・タトゥー、 ヘヴィ・モール、 アマンダ

どれもこれも危険な超犯罪者です、 更に他の囚人達も暴れています」

「地元の警備部隊とか、 何か戦力は居ないのか?」

「地元の警備部隊と自警団は有りますが」

「良し、 暫く彼等に任せて、 こちらは編制を急ぐぞ」

「大丈夫なんですか?」


秘書が怪訝そうな顔でカルを見る。


「小を切り捨て大を得るだ、 地元の人々には割を食って貰おう

これは我々の為だ、 仕方が無い」

「まぁそうですね・・・」


カルは無能である、 こんな作戦しか建てられない。


「地元にはマフィアも居るそうじゃないか

そいつらも黙っていないだろう」

「えぇ・・・ですが実質内紛が起こるのかもしれませんよ?

そうなると我々騎士団の責任問題になるのかもしれないです」

「いざとなれば勇者殿達に任せよう、 勇者殿は今どうしている?」

「各地の勇者を招集して作戦会議を開いているらしいです

首都の勇者イトマリがその内容を知らせてくれる手筈になっております」

「ふむ・・・なるべく早く頼みたいが・・・」


憂鬱になるカルであった。


「そうだ、 脱獄囚達に賞金をかけよう」


名案の様にカルは閃いた。


「それは・・・名案なんでしょうか?」

「ふん、 戦って騎士が死んで手当てで吹っ飛ぶ金に比べたら安い物よ

一人頭1億で如何だろうか?」

「それでは安過ぎるでしょう、 彼等の懸賞金額は平均3億Gです」

「うーむ・・・そうなのか、 後々で検証してみようか・・・」


そう言って更に憂鬱になるカルであった。

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