私の居場所 215

 巨大な脚が老松かよの身体に覆い被さってきました。そして・・・ グシャ! 老松かよは踏み潰されました。その脚の持ち主は女神隊員でした。

 ストーク号コックピットの隊長は唖然。

「な、何やってんだよ、あいつ?・・・ あれじゃあ人類の敵じゃないかよ?」

 一部始終をカメラやスマホにおさめていたたネット民たちは、唖然とするばかり。

「お、おい、見たか?・・・」

「何か踏み間違えたんじゃないのか?・・・」

 倉見隊員はやっと目的のスイッチを見つけました。

「あった!」

 そして、

「自動翻訳機のスイッチを入れます!」

 と宣言。そのスイッチを押します。するとコックピット内に女性の声が響きました。自動翻訳された女神隊員の声です。

「わかった、あなたに協力する!」

 するとそれまで不安顔だった巨人の顔が急に明るくなりました。

 女神隊員は自分のヘルメットに両手をかけ、そのままヘルメットを脱ぎました。露わになる女神隊員の1つ眼。それを見て日向立隊員は唖然。

「ええ、なんで?・・・」

 橋本隊員と倉見隊員は唖然。

「ヘルメット脱いじまった?・・・」

 隊長は慌てふためきます。

「まじかよ、おい!?」

 ネット民たちは騒めきます。

「一つ眼だ! やっぱヘルメットレディーは一つ眼だったんだ!」

「なんだ、そこにいる怪獣と同じ顔じゃんかよ!」

「やっぱあいつも、凶悪な宇宙人だったんだよ!」

 女神隊員は突然振り返ると、1歩前に出て、サッカーのシュートのように右脚で大きく蹴り上げました。数人のネット民がそのつま先に引っかかります。

「ぐふぁーっ!」

 大きく吹き飛ばされていくネット民たち。その身体はアスファルトに落ち、または近くのビルの外壁に叩きつけられました。

 蹴飛ばされたすべての身体は血だらけ。中には内臓をさらけ出したり、四肢がもげた身体もあります。それを見て日向隊員は愕然。

「どうしちゃったの、女神さん?・・・」

 女神隊員が振り向きました。その視線の先はビルの非常階段。そこには何人かのネット民がいて、カメラやスマホで撮影してました。

 女神隊員は手を拳銃の形にして、その指先から光弾を発射。非常階段に光弾が命中。非常階段はネット民ごと吹き飛ばされました。

「うぎゃーっ!」

 明石悠の巨人は近くにあったビルの屋上のへりを掴み、ゆさゆさビルを揺さぶります。

「ごらぁ、出てこーい! 責任取れよ、この卑怯者ーっ!」

 ビル内では窓ガラスが破れ、内壁や天井が落ちてきます。このビルに逃げ込んだネット民たちは頭を両手でカバーし、恐怖に震えます。

「やめてーっ!」

 ついに何人かはエントランスから逃げ出しました。

「だめだ、こんなとこにいたら殺されちまうよーっ!」

 が、エントランスから出た瞬間、巨人の足が襲ってきました。

「う、うわーっ!」

「やめろーっ!」

 グチッ! 全員巨人に踏み潰されました。

 これをストーク号のコックピットから見てる隊長。

「全員殺さないと気が済まないのか、あの?」

 倉見隊員が叫びます。

「隊長、またF2が来ます! 今度は6機です!」


 街の上空。かなりの低空を飛ぶF2戦闘機6機。その先頭(隊長機)のパイロット。

「よし、手はず通り二班に分かれて攻撃するぞ!」

 残り5機のパイロットが応えます。

「了解!」

 F2戦闘機は3機ずつ二班に分裂、それぞれ真逆の方向に飛んで行きました。

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