私の居場所 177
ちなみに、今黒部すみれのチームはもう1機透明になったドローンを操ってました。そのドローンは隊長のセダンを追跡してました。こちらも車内にいる全員、その存在に気づいてません。
その車内。ハンドルを握ってる隊長は、少し怒ってるようです。
「なんでタクシーで行かなかったんだ、今朝?」
助手席の明石悠が応えます。
「あは、もう私たち、大丈夫ですよ!」
「いや、まだまだ! 老松啓一一派がまた襲ってくるかもしれないからな。少なくともやつらを逮捕するまで、単独の行動はひかえたほうがいい!」
それを聞いて明石悠はムスっとしてしまいました。隊長はそれを横眼で確認。さらにルームミラーに眼を移すと、そこに写る後部座席の真土灯里も不満な顔をしてます。隊長は思わず心の中でつぶやきました。
「気分を害したのかよ? この年の女の子は難しいなあ・・・」
隊長はため息。そして声を発しました。
「しょうがねーなー。明日からまたオレが送り迎えするよ!」
それを聞いて明石悠と真土灯里が思わず苦笑い。
「あは・・・」
いつものレコーディングスタジオが入るビルの前、隊長のセダンが停車しました。日向隊員と明石悠と真土灯里がセダンから降りました。3人は運転席の隊長を見て、
「じゃ!」
隊長は笑顔で応えました。そしてセダンは発進。そのまま近くのファミレスの駐車場に入りました。
3人はそれを見てましたが、日向隊員が、
「じゃ、行こっか!」
他の2人がそれに応えます。
「うん!」
3人はビルのエントランスに入って行きました。
ぶ厚いドアが開き、日向隊員、真土灯里、日向隊員が入ってきました。
「こんにちは~!」
そこはミキシングルーム。イスに座ってた高浜さんが振り返り、
「こんにちは!」
諏訪さんはコンソール卓に座ってました。諏訪さんも振り返り、
「こんにちは!」
高浜さんはマイクを握り、
「みんな、来いよ! 灯里ちゃんたちが来たぞ!」
すると今度はスタジオ側のドアが開き、千石さん、久領さん、代官さんが現れました。
「やあ、みんな、こんにちは!」
日向隊員、明石悠、真土灯里は応えます。
「こんにちは!」
高浜さん。
「いきなりでなんだが、さっきここにいる5人で決めたことを話すよ。新生真夜中のノックのデビューアルバムを発表することにした!」
それを聞いて日向隊員、真土灯里は笑顔を見せました。
「あは!」
一方明石悠は驚いてます。
「え・・・」
高浜さん。
「収録する曲は9曲。岬クルージング、undercover、それにI Was Born To Love Youを収録しようと思ってる。残る6曲だが・・・」
高浜さんは千石さん、久領さん、代官さんを見て、
「この3人にはそれぞれ1曲ずつ作ってもらおうと思ってる。自分で作詞作曲した曲でもいいし、すでにこの世にある曲をカバーしてもいい。そういうルールにした」
次に日向隊員、真土灯里、明石悠を見て、
「君たちは1曲作るのは難しいかもしれないな? そこで3人で3曲作ってもらおうと思う。もちろん、カバーでもいい。
計9曲。これでデビューする!」
千石さんは日向隊員たち3人に、
「オレたちは高校を卒業すると同時にデビューしたが、当時のプロデューサーから高校出たばかりのお前らじゃ、ヒット曲を作るのはとうていムリだろうと言われ、向こうが用意した曲でデビューさせられたんだ。とっても屈辱的だった」
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