第651話 車内にて2

大学の帰り電車に飛び乗った俺だったにだが――その直後から同じく電車に飛び乗って来たいつもの2人の揉め事に巻き込まれていたのだった。この2人ホント揉めてるというか。いつも何か言いあってますよね。まあ殴り合いとかになっていないからマシなのかもだが――これで毎回大喧嘩の子供みたいなことだったら――大変ですからね。まあこの2人がいつも揉める原因は。柊が七菜を可愛がりすぎているというか――あれだな。七菜は大きく見られたい。でも柊は子供のような扱いをする。そこで七菜が毎回キレるである。でもそれに気が付いていないのか――または気が付いていて楽しんでいるのかは知らないが――柊が毎回同じ態度でこうなっているのだろう。うん。多分だがね。もしかしたら違う何かがあるのかもしれないが――俺にはわからない。ちなみに今はストーカーの話のまだ続きですかね。


「ってか、単位は卒業までに取ればいいんだし。俺そんなに騒いでないよな?」

「——過去に騒いでいたかと」


うん。俺の記憶では海織にヘルプをしている過去があったように思えますがね。


「——そうだったか。でも七菜ちゃんたちが居るから講義は受けやすいけどな。あと後輩にめっちゃ友達出来たし」

「私は大変迷惑なのですが――」


明るい柊とは違い反対側からは――呆れたような声が聞こえてきている。お疲れ様である。すると柊が七菜にまた声をかける。


「まあまあ」

「何がまあまあなんですかー。周りが騒がしくなるから大変なんですけどーわかってますか?」

「——あの、俺を挟んで揉めないで。うん」


2人で話すなら――どうぞ。俺を挟まないで話してほしいですね。ホント巻き込まないで?と間に挟まれて思っている俺だった。すると、柊が「そうそう、楓に頼みがあったんだ」などと嫌な雰囲気で俺に話しかけてきた。いや、嫌な予感しかしない言葉が聞こえてきていたのでね。


「なあ、楓」

「——はい?」

「沙夜が元気すぎるんだが。いらないか?」

「……さらに、はい?」


ホントに謎なことを言ってくる柊だった。いらないか?って何です?だった。


ちなみに現在電車は順調に四日市方面に向かって走っているのだが――うん。車内では順調に話が進まないというか――唐突に柊がそんなことを言ってきたので変な感じになってますね。はい。


「斎宮先輩が元気なのって――いつもの事ではないですかね?」


すると俺の横から七菜のそんな声が聞こえてきた。


「まあ七菜の言う通り。斎宮さんが元気じゃない方がおかしいかもしれない」


七菜の意見に俺も同意する。


「いや、だってよ。最近レベルがおかしいんだって、いや、マジで」

「レベル?」


俺が聞くと柊が思い出しながらという感じで話し出したので俺と七菜は一応。聞いた。


「俺の部屋に昼夜。時間関係なく突撃してくるだろ」

「「よくあると思う(思います)」」 

「何故か俺よく蹴られるだろ。手加減なしで」

「「よくあると思う(思います)」」 

「俺の部屋に来たら来たで部屋散らかしていくだろ」

「「よくあると思う(思います)」」 

「気が付いたら寝てるだろ」

「「よくあると思う(思います)」」 

「スマホ見ながらニヤニヤしてるだろ」

「「よくあると思う?(思います?)」」 


うーん。スマホ見てニヤニヤか。それはどうだろうか。あまりイメージがないというか。うん。基本斎宮さんって柊と居る時は活発というか。特に最近は斎宮さんの方が力関係が上なのか。ボコボコにされている柊よく見るな。などと俺が思いつつ柊の話を聞いていると――。


「なあ、楓と七菜ちゃん。なんか打ち合わせしたみたいに息ぴったりで同じ返事してくるな」

「いや、違ったかと」

「はい。私は「思います」と言っていました」

「俺は「思う」だな」

「いやいや、ほとんど同じ、ってか。最後のところ疑問?になったのもぴったりだったじゃん。って今も息ぴったりだし」


まあ柊が言う通りなんかなんと同じタイミングで返事をしていた気がするが――ね。まあ柊が言ったことに返事をする。なのでああなるだろうと思いながら。


「まあでもスマホはね……」


俺はそういう言いながら七菜を見る。


「はい。あまり斎宮先輩がスマホ見てニヤニヤはないかなーと。あるのかもしれませんが――今のところあまりピンと来ないことでしたね。そのほかの事は想像できました」


どうやらここまで七菜と意見は一致しているらしい。俺が付け足すことは何もなかった。まあ付け足すとしたら――


「同じくだが。まあ何かかわいい動画とか画像見ていたので――」


俺はそんなことを柊に言って――ふと思い出した。かわいい画像――もしかして――とね。


「何を見ていたかはわからん。全く見せないし。見たら死刑って言われてるし」

「早く実行されると私が平和になりますね」

「マジで嫌われている俺だった」


柊自分で完結させていたが――。


「もちろんです。やっと気が付きましたか」

「はっきり言われたよ。うん」


うん。この2人仲良いね。である。柊が話しを終わらそうとしてもちゃんとそれにこたえる七菜だった。


「はいはい。車内では騒がないように」


俺はなんか言い合いが始まりそうだった2人を止める。いや、声のボリュームは考えているが。でも今の車内では、賑やかに入るであろう俺達。まあ周りには人がほとんどいないが――でも数人は居るのでね。注意しましょうである。って、今更というか結構話した後に言ってもかもだが――いや、だって、電車はもうすぐ菰野駅なのでね。うん。そこそこ電車に乗ってます。あと、柊がもうすぐ多分降ります。

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