第563話 休日の講義7
「——これは、本。雑誌か。とりあえず縛ればいいか……?うん。捨てるんだもんな。とりあえず斎宮さんが持てる範囲で――って普通に縛れば大丈夫か。最悪柊が呼ばれるだけだろうし」
現在俺はゴミの仕分け中である。斎宮さんの部屋の洗面所でね。謎な事をしているよである。自分の部屋の掃除ではなく。普通に友人宅の掃除をしている現在である。
「って――斎宮さん。食べ物のゴミもそのまま洗面所にほりこんだか――何かが垂れているんだが――って……実はなかなかの惨劇だった?うん。まあでもまさかね。慌ててほりこんだから――と思っておこう」
ちなみに俺が1人ぶつぶつ言いながら。洗面所に本当に押し込まれていたゴミの仕分けをしている間。部屋の方からは――海織と斎宮さんの楽しそうな声が聞こえてきていたのだった。うん。今はどこかの喫茶店の話をしてますね。期間限定商品が出ているとか――そんな会話が聞こえてきている。
って、俺は――マジで人の部屋に来て何をしてるのだろうか……?まあ――掃除は嫌いじゃないから別にいいといえばいいのだが――うん。
まあそれにこれだけ散らかっているとやりがいはあるから――って、ほんとため込んだな。この本――雑誌か。結構あるな。まとめると結構重いぞ?これ。
まあそんなこんなで俺がしばらく1人で友人宅の掃除をしているところを報告していてもなので、ざっくり話すと――。
1人での片付けだったのだが。あっという間に終わった。うん。1人でやると意外と早いんだよな。洗面所もそんなに広いところじゃないからね。順番に片付けていけば――綺麗になっていったという。床のべた付きは斎宮さんに拭くものを要請しないとだがね。
とりあえず、ゴミ袋数袋に、本や雑誌を縛ったものが数個出来上がったのだった。マジで雑誌は多かったな。斎宮さん結構読むみたいです。はい。まあ海織も結構読んでるから――それが普通なのか。俺は雑誌とかほとんど買わないのでね。はい。
ある程度片付けが出来た俺は、女の子2人の楽しそうな声が聞こえている部屋へと向かう。
「——あの……斎宮さん?」
「うん?何かあった楓くん?」
「いや、雑巾とかある?床――拭いた方がいいかなー。なんだけど」
「あっ。もしかしてなんか汚れてた?って、そういや――コンビニ袋も投げ込んだかも。飲み物入ってたかも」
「ちょっと一部べたつきが――」
「ごめんごめん。ホント全部押し込んだ感じだから。それは私するよ」
「まあ、拭くだけですけどね」
「あれ?もしかして――もう掃除は完了した感じ?」
「ですね。玄関の前に並べました」
斎宮さんが海織との会話をやめて、四つん這いで床を移動して――そして玄関の方を覗く。
「——ヤバっ。マジか。楓くんすごい。早い。もう終わってる。ねえねえ、海織ちゃん海織ちゃん」
「うん?何?」
「お掃除屋楓くんの年間契約ってできるの?」
またいきなりとんでもない事言い出したよ。うん。年間契約ってなんだよ。そもそも俺お掃除屋じゃないんだが――。
「えっとね。どうしよう?」
「いやいや、海織何で真面目に悩んでるのかな?」
「えっ。収入源確保?」
「おい」
「にひひー。まあ沙夜ちゃんいつでも貸し出すよ。楓君ならご飯も作ってくれるかもよ?」
「マジかー。有能すぎる。一家に1台」
「1台はおかしいような――」
「一家に1人?」
「それもなんというか――って。マジで何をしているのか。って変な事は話さなくていいですから」
「あっ、楓君楓君。今度はそろそろ帰らないと、七菜ちゃんに怒られるよ?」
なんか変な話を斎宮さんとしていると海織がスマホを見つつ俺に言ってきたので 俺もスマホを確認してみると。時間は15時51分になったところだった。本当に俺掃除をしに来ただけみたいです。はい。
って、そういえば俺が掃除を始める前に海織が調べてくれた電車の時間は16時07分だったか。などと思い出して――って、別にその電車にこだわる必要は無いような――うん。乗り遅れても晩ご飯の準備開始が遅くなるだけだし。まあ確かに講義で疲れて帰ってきた七菜が怒るかもだが。それは――ね。うん。仕方ないというか……。
「あっ。じゃ、楓君には冷蔵庫にあった炭酸飲料をプレゼントしよう!」
「……どうもです」
俺がいろいろ考えていると、斎宮さんがペットボトルを与えてくれたので――はい。それはもらいました。活動料金。お掃除代ですかね?はい。
「ってか。2人ともちょっと待ってて。私パパっと着替えるから」
俺が斎宮さんからもらった飲み物を飲もうとしていると。斎宮さんは――バタバタ室内を移動して――洗面所へと荷物を持って消えていった。
あれ?もしかして斎宮さん付いてくるつもり?うん。今の雰囲気は――来るよね?うん。
すると俺の横に海織がやってきた。
「楓君今は移動ダメだよ」
「えっ?移動?」
「堂々と沙夜ちゃんの着替え覗きそうだったからね」
「そんなことしませんから。普通に水分を飲もうとしているだけです。はい」
「にひひー。ってちらし寿司4人でもいいよね?大丈夫だよね?」
「まあ――って、ちらし以外の物。冷凍の物とかチンしたらいいかと。何かはあったかと」
「じゃ。今日は賑やかに夕食だね」
「誰かと食べていることの方が多い気がするが――」
俺と海織が斎宮さんの部屋で話していると。バタバタと準備を完了した斎宮さんが壁に激突しそうになりつつも――ギリギリで曲がり。こちらへと戻って来た――って早いな。うん、めっちゃ準備が早かった斎宮さんだった。
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