第536話 まっしぐら13

現在近鉄名古屋駅へと到着した俺達5人。

もう何度も来ているので、みんな当たり前のように、とりあえずホームに居ても人の波に飲まれる。次の電車が来ると邪魔になるので、自然と改札の方へと進んで行く。って――七菜はまだあまり知らないか。でも最近来たばかりということもあり。普通に七菜も俺達に付いてきたのだった。はい。問題なく5人で改札を抜けたのだった。迷子は出てません。


その後人が少ないところへと移動してから――海織が話しだした。  


「ってことで、ここから楓君と沙夜ちゃんは別行動だけど。何時くらいに集合する?」

「——そういえば再集合するんだったね」


そうそう、ここで一度別行動となる俺達だが。そういえば夕方には合流して――またどこかこのあたり見るんだっけ?うん。そのことについてはちゃんと話してない気もするが――まあとりあえず再集合する予定である。いや、本当に俺達何も決めてないというね。事前に決めたことと言えば――俺が行きの電車の時間だけ調整していただか――って俺しか事前に何かしていた人居なくない?だった。


「ってか。楓くん楓くん」


俺がそんなことを思いつつ海織の話を聞いていると、隣へとやってきた斎宮さんが声をかけてきた。


「うん?」

「とこにゃんのところまでって近かった?」

「いや――近いにはならないような――?確かここから……30分くらいかかるかと」

「じゃあ今の急行に乗ってたくらいまた乗るってことだよね?」

「まあそれくらいかかるんじゃないかな?」

「ってことは――移動だけ。行き来で1時間ちょっとか。それから向こうでぶらぶらになると――うーん――16時17時くらい?にこっちはなるかな?7」


斎宮さんが考えつつ提案をみんなにすると……。


「かな?楓君と沙夜ちゃんはまだこの後移動だからね。ちなみに私たちはここから――歩きだったっけ?」

「えっ?歩きなの?」


海織が言ったことに対して、柊が反応したが――ここからちょっと俺の前は怪しい空気になりました。はい。柊の一言によりお隣で怪しい空気が生まれたみたいです。


「あれ?白塚君場所調べてないの?前に決まった時調べておくって言わなかったかな?」


海織は怒ってはない。うん。怒ってはないが――楽しんでいる。うん。あれは悪いことを考えていますね。という表情だった。最近柊も狙われてるな。である。


「……俺に――そんなミッションあった?」

「——さすが白塚先輩。何もしてませんね。さすがです。すごいですね」

「七菜ちゃん絶対褒めて無いよね?」

「——」

「楓!七菜ちゃんの会話一方通行!」


いやいや、柊よ。海織もじーっと見てますよ?と俺が思いつつ苦笑いしていると。


「あっ、海織ちゃん七菜ちゃん。柊ね。一応お金は準備していたみたいだから7万くらい使ってもいいかもよ?」


斎宮さんがニヤニヤ、楽しそうにそんなことを言った。柊の財布は彼女様に把握されているようです。


「沙夜は何言ってるんだよ!って何でリアルに俺の残高知ってるんだよ!」

「柊相手ならチェックするの余裕ー」

「楓!ここは鬼しかいないのか?」

「さあ?って柊。海織の視線もおかしいので――頑張って」

「……あー、宮町さん宮町さん。大丈夫調べるの忘れてないから。忘れてないから、とりあえず地上出て――えっと――バス乗り場がたくさんある方?」

「真逆じゃないかな?」

「……」


にやにやという効果音付けておこうかな。という状況。さてさてどうなるかなー。である。


「こりゃ柊も大変そう」

「楓くん楓くん。私たちはとこにゃん見に行こうか。海織ちゃんも七菜ちゃんも今から柊をすっからかんにするみたいだから。近くに居ると楓くんも巻き込まれるかもよ?」

「それは――避難か。うん。斎宮さん。電車の時間もあるし。こっちはこっちでミッションクリアしに行こう」


俺が避難を決断すると。すれを聞いていた海織が話しかけてきた。


「あっ、じゃ、沙夜ちゃん。楓君振り回してきてね」

「——海織さらっとおかしい事言わない」

「にひひー」

「——ホントに。あっ、柊はご愁傷様?」

「ちょ、楓!タイム今は放置はキツイ。いや――沙夜が居ないだけマシ?」

「2人ともー。そこのクズどんどん使ってねー。あっ、余っててもこっち戻ってきてから私が使うから」

「沙夜も謎な事を言うなよ!」

「ふふふっ」

「あの――斎宮さん。特急乗りたいから行こうか?」

「OK。って――そうか。あの地獄のような人の波に私たちは行かないとなのかー」

「あー、まあでも今日はちょっとマシかと」

「うん?そうなの?まあいいや。じゃ、海織ちゃん七菜ちゃんまた夕方にー。ランチ楽しんできてねー」

「沙夜ちゃんも楽しんできてねー。じゃ行ってきまーす」

「また後でです」

「ちょ、楓ー」


ここで俺たちは2人と3人に別れました。

俺と斎宮さんはすぐに名鉄の乗り場の方へと向かったので――後ろで何が起こったかは知りません。はい。知らなくていい事もあるのです。柊が何か言っていたのは気のせいです。

まあ俺の予想では――海織が何かして、それに上手に七菜が乗っかって、柊が悲鳴。うんうん。そんな予想が出来るのですが――こちらには関係ない事ということと。今回は向こうがちょっと桁が違うというか……うんうん。関わっちゃいけない時もあるのです。下手にかかわると――ってこっちはこっちでお隣を楽しそうに歩いているお方に注意が必要なのでね。

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