第235話 空港デート5 ~名鉄名古屋駅16時20分発~

「いやー、あんなにトイレが並んでるとはね。ごめんね楓君待ったよね?」

「大丈夫大丈夫。人が多いからね。仕方ないよ。時間も時間だし」

「改札の外に出ればよかったね」

「まあ急いではないわけだから」


はい。女子トイレの方がかなり並んでいたようで……俺と海織はまだ近鉄名古屋駅に居ます。やっと名鉄への連絡通路を抜けようとしているところです。


「20分くらいここに居るね」

「ホントだ」


スマホを見てみると確かに20分弱すでに名古屋に到着してから時間が経っていた。


「予定ではもう少し早くセントレアだったのになー」

「ははは、まあまあ。で、どの電車だっけ?」


うん。やっぱここは迷うよ。って人多いな。マジで。ホント。名鉄名古屋駅は人がいっぱいです。はい。


「とりあえずセントレアに着いてからちょっと歩くことになるけど後ろの車両に行こうか?」

「了解です。付いていきます」


ということで空港方面のホームへと移動して最後尾?になるのかな。とりあえずホーム後ろ側にやってきました。前の方が結構混んでいたので、多分……これで正解かと。っか、空港方面と言ったが――ホームここしかないですね。すべての行先が1つのホームから出発ですから。


「次は……あっ特急が31分にあるね」

「名鉄は特急も一般車は普通に乗れるんだよね」

「そうそう、一部特別車だからね。特別車は別料金だけど。一般車は普通に乗れるよ。って名鉄久しぶりだー」

「そういえば最近……海織って実家帰ってる?」

「えっと――いつ帰ったかな?」

「たまには帰ってあげましょう。うちにはめっちゃ居るんだから」

「えー、だってー。あっ、楓君が一緒に来てくれるなら毎週末帰るよ?」

「いやいやいや、なんかおかしくない?」

「そう?」

「おかしいよ!?」


とか海織と話している間も名鉄のホームでは忙しそうに電車が入ってきて……出て行く。入ってきて……出て行くが繰り返されていた。


うん。やっぱりこれは利用している人がすごい気がしてきた。皆さん慣れているというか。うん。すごい駅ですね。1つしかホームが無いのにいろいろな行先の電車が来ているのに。ちゃんとそれぞれのところにお客さんは並んで乗って行く。というか。この駅の構造を考えた人もすごいな。うん。前に利用した時もこんなことを思った気がするが……まあたまにしか使わないからね。いつも使っていたら当たり前の光景なんだろうが……たまに使う人が見ると……すごいです。はい。


行先とかによって電車も停車位置が全部違うし。って、初めての人はやっぱ混乱する駅だよな。とか思っていると。次の電車が中部国際空港行きらしい。


「そろそろ並ぼうか。多分。満員だけど」

「だよね。この人だからね。仕方ない」


俺と海織は乗車位置の列に並ぶ。うん。すごい人です。


名鉄名古屋駅16時31分発の一部特別車の特急は停車時間何分だろう1分?2分?くらいかな?その間に降車ドアが開いて……乗車ドアが開いて……うん、両側開きます。で、乗り込みました。すぐに車内はいっぱいとなりました。


俺と海織は列の最後に居たため。ドア付近でちょっと潰されています。


「楓君バリアだね」

「大人しくしましょう」


とりあえず海織を守るというか……まあ海織が潰されないように?今度はドアと俺で海織をサンドする形で乗車です。はい。ホント混んでいます。


「これ、楓君をくすぐったら面白そう」

「何を言いだすんでしょうか?このお方は」

「うん?してほしいのかな?」

「なわけない」

「えー」

「大人しくしない場合。海織は今後出入り禁止となります」

「えー。ひどい。でも行くけど」

「……強い」

「ふふっ。まあ満員電車だからね。しばらく大人しく楓君にくっついてます」

「……それは大人しくしているに……なるのか」

「なるなる」


ということでなんかわからないが――。

海織がくっついた状態で電車は名鉄名古屋駅を発車しました。


地下から地上へ。もう外は暗くなってきてますね。さすが冬。うん。やっぱり冬だ。


電車はそれから金山駅。神宮前駅?に連続?かな。うん。短時間で止まって行き。さらに人が増えました。はい。密ですね。普段からこんなに混むのだろうか……この時間だけ?うーん。混んでいます。


これはしばらく大人しくしていましょう。


えっと、神宮前駅?を出てからは――もうわからん。だった。


はい。今どのあたりを走っているのでしょうかね。駅を通過するのでその時に駅の名前が見えればいいのだが――結構な速さで走っているので……読めない。はい。読めません。


ちなみに俺とドアに挟まれているお方は……。


「なんと器用な事か」


なんかカクカクしていました。ってこの子立ちながら寝れるというか。まあ俺が支えているからか。ってこんなところで体力回復しなくてもいいような気もするんですが……。


とりあえずカクカクしているお方が居るので、俺はそのカクカクしている方がたまにあるカクン。というのかブレーキですね。それでこけないように支えています。というか。っかホント器用なことで。


とか俺が思い……もう1人は夢の中。そんな間にも電車はどんどん進んで行く。


そして――終点で良かった。これ途中の駅で降りるとかなら海織のヘルプが必要だったが。目的地が終点なのでね。海織をそのままにできた。


そして30分くらいだろうか。電車に揺られていて。何駅だったかな?常滑駅?だったかな?うん。その駅を出て少し電車が走ると――。


「おお、見えてきた」

「うわっ!?」

「—―うん?どうしたの楓君?」

「起きてたの?」

「さっき起きたかな?楓君のおかげで体力回復だよ」

「……大人しい方がいいかと」

「元気でーす」

「車内ではお静かに」

「ちゃんと車内モードだよ?」

「それはわかってるけど……まあ大人しくお願いします」


とか言いながら復活した海織とともに車窓を見る。電車は空港の島?って言うのかな?とりあえず空港に向かって現在海の上を走っています。


これはあれだね。風が強かったり。台風が来たらすぐに止まりそうな気がします。はい。あっ、待て待て今は天気がいいがそんなことを思っていると帰りに……とか言うことがあるので、気にしないようにしないとな。


そんなことを思っていると電車は中部国際空港駅へと――滑り込んでいった。


「着いたー」

「ホントに来たよ」


俺と海織は中部国際空港駅。セントレアに到着しました。はい。到着です。

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