第207話 ワイルドカー ~車は便利~

海織と公園に遊びに来ていたら久しぶりに難波先輩と会いました。世間は狭いというか。こんな偶然もあるんですね。


そして何故か一緒に食事に行くことになりました。


「がははー。宮町さんいいねー」

「ふふっ」


そして今は難波先輩のお車の中。

えっと……七夕祭の時だったかな?1度俺は乗ったことのある。あの大きな車。うん。駐車場で駐車スペース2台分使っているワイルドな車に乗っています。まあギリギリ1台分の枠には収まる大きさなんだが……うん。それは難波先輩の性格なのかな?ワイルドに斜めに止めていましたから。2台分です。はい。皆さん。駐車場は他の方の迷惑にならないようにご注意ください。ちゃんと止めましょう。


そして今は助手席に座った海織と難波先輩が楽しそうに会話中。なんか話が合ったみたいです。俺は後部座席で大人しくしています。ちなみに海織が助手席に乗っているのは初めての車ということで前に乗りたいと。子供のように目を輝かせていたからです。確かに普通の車からみたらかなり車高?っていうのかな?うーん。トラックとかまではもちろん行かないが。車全体が高いので普通の車と全然見え方が違うのでどんなのか見たくなるよな。うん。


にしてもホント大きな車というか。どこに行くためにこの車持っているのだろうか……前も思った気がするが悪路。水の中とかでも普通に走りそうなんだよなー。あと多分今は綺麗に舗装されたアスファルトの道を走っているが舗装されていない道を走るためにこの車は作られている気がするの……うん。


何だろう。採掘場?っていうのかな?石切り場みたいな。ああいうところを走っているのが似合いそうとか勝手に思っている俺です。


俺がそんなことを思っている間も車はどこかへ向けて走っている。これどこに向かっているんですかね?


「あっ、そういえば難波さん。妹さん居るんですか?」

「そうなんだよー。ちっちゃくてな。ウザい妹がいるんだよ。昔からチマチマ付いてくるんだよ。たまに帰るとまあ大変大変。俺がこっちに行くとか言ったら大騒ぎしてたしよ。だからたまに帰ったらあそこ連れて行ってや。一緒に寝るやら。そのくせちょっと目を離すと消えるからな。相手するのが大変でよ」

「ってことは小学生?とかですか」

「いや、今受験生。高校3年生だな」

「……へ?」


うん。海織の「へっ?」の言葉が出てくる理由はわかる。今の難波先輩の話からは……なんか小学生くらいの小さな子のイメージで俺も聞いていたのだが……高校生?


「高校生なんですか?」

「そうなんだよ。ホント。チビのままなんだが。高校生なんだよな。見たらびっくりするぞー」

「妹さん難波さんの事大好きなんですね」

「いや、あれは違うな。俺の金を使って楽しむ。をしている悪魔だな。チビの癖に最近はいろいろ頭は回るみたいでな。っかな。同級生は相手にならないとか。アホな事言っててなー、もう困ったもんだ」


うん。何というか。難波先輩お疲れ様です。大変そうですね。とか思っている俺だった。


それからしばらく海織が難波先輩に妹の事を聞くという感じで会話が続いていた。


「……」

「宮町さんより10センチは小さいんじゃないか?ホント中学1年?小学生の高学年くらいからか。そのあたりから全く変わってない。本人もそれは気にしているのか。成長が止まった!って毎回会うと言ってるな。がははー」

「……」

「あー、でも活発だぞ!体力切れとかほとんど見たことないからな!まあ俺もだがな」

「……」

「そういえば……大学はどうするのとかは聞いてないな。がははー。まあなるようになるささ」

「……」

「がははー」

「……」

「あー、あそこはいいところだぞー、七菜ななも初めて連れて行ったら喜んでくれてなー」

「……」

「そうだそうだ。まあ機会があったら連れてくるよ。がははー」

「……」


海織は難波先輩の妹に興味でも持ったのか。目的地に着くまでずっと難波先輩と話していた。


俺が何故会話に入ってないかって?入らなかったではなく。入れなかったため……いや、デカい車は前と後ろの席がですね。少し離れている感じでしてね。あと、途中から難波先輩の好きな音楽もかかりだしましてね。俺のところに断片的にしか声が聞こえてきていないというね。


まあ難波先輩の声は聞こえてくるんだが……海織の声はボソボソ程度のほとんど何言っているかわからなかったんですよ。はい。


とか思っていたら。目的地に着いたみたいです。回転ずし—―ですね。よくあるチェーン店の回転ずしのお店にやってきました。ちなみにお店の前には本日のお出かけ。俺と海織が誘ったお誘いを断った2人が立っていました。


「白塚、待たせた。ちょっと寄り道しててな」


難波先輩がまず降りてそんなことを叫んでいた。うん。ちなみにまだ柊たちまでは結構距離があるが……うん。難波先輩の声はよく通る。


ちなみに、なんでその2人が一緒に居るの!?というような顔を斎宮さんがしていた。そして今は海織の方に向かって行き何か話している。


俺も少し海織と難波先輩に遅れて柊のところに行くと――。


「なんで楓と宮町さんもいるんだ?今日公園デート行ってなかったか?」

「公園デートとは言ってないな。公園に行こうは言った気がするが」

「まあ一緒だろ。って何故に一緒に居るんだ?」

「公園で捕まったというか。って、これは何の集まり?」

「いや、普通に難波先輩と食事だな。あれからも俺いろいろ関わってたらたまには奢ってくれるって言われてな。で、それを聞きつけた沙夜も付いてきた。っか。楓らに誘われたが。この予定が先にあったって事」

「なるほど」


結局いつものメンバー+1となりました。

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