第28話 夜の出来事 ~深夜なので電車動いてません~
――ガチャ。
ドアを開けるか。閉めた音だった。と思う。外の方なので、宮町さんの父か母かな?と思ったが。もしかしたら、こっちの入り口、閉めてなかったのかな?とか思い。そっと、布団から立ち上がる。
なるべく音をたてないように、あと、暗いので、躓かないように、静かに部屋から出る。すぐに玄関だが、特に開いたとかはなさそう。やはり、隣の宮町家の方で、かな。と、思ったが。せっかく起きたしで、ちょっと外に出てみた。
宮町さんの実家周辺は、民家が少ないからか。結構静か。下宿先と似ている感じがした。あ、俺の実家もこんな感じか。そして、宮町家の方見てみると、まだ、1階の電気がついていたので、さっきの音は……やはりお隣の様子。
「あ、星は結構見えるな」
ふと、上見上げれば、普通に星が見える。最近だと街灯とかが多いと星が見にくいのだが。この辺りは、暗い方なので、結構見える。日中ほどの暑さもないので、ちょっとくらい星見るにはいいかもしれない。
すると――。
「楓君?」
「ひっ!」
「あ、ごめん。驚かすつもりじゃなかったんだけど……」
「宮町さんか――あー……心臓に悪い」
「ごめんごめん。なんか音がした気がして、そしたら楓君が出てったから、気になってね」
「あ、ごめん、もしかして、起こしたかな」
「うんん。まだ寝てなかったから。多分、ママかパパだよ。外にごみとか置くバケツあるから」
「なるほど。あ、じゃ、戻ろうか」
「ねえ、楓君」
「うん?」
「ちょっと散歩行こうよ」
「……はい?」
「ほら」
宮町さんに背中を押される。空き家の方のカギを宮町さんが持っていたらしく。カギ閉めてから、宮町家の敷地の外に出た。
「このあたり田んぼとか、畑多いから、静かでしょ」
「うん。虫の音くらいだね。たまに車が走るか。かな」
「そんな感じ」
「ところで、夜中に、どこへ?」
「ちょっと、ぶらぶら―。1人だと、夜は出歩かないけど。今日は、楓君が居るから」
「俺、そんなに強くないけど。って、このあたりなんか出るの?」
「どうかな?あまり聞いたことないけど。イノシシくらいいるのかな?まあ、大丈夫だよ。あ、近くに神社あるけど行ってみる?肝試しみたいに?」
「なぜに、夜に行くのでしょうか……」
「楓君は、怖いのどうなのかなー。って」
「どうって……まあそれなりに?」
「じゃ、行ってみようか。ホント近くだから」
そして、歩くこと数分本当に神社に来ました。小さな神社だった。
夜って、神社入っていいものなのか。と考えるが。すぐに、大晦日とか、元日は夜行くか。と。1人で完結。すると隣にいた宮町さんが。
「夜の神社って、なんか、神様が居そうな感じしない?」
「え?逆じゃない?夜だから……留守みたいな」
「そう?私は、夜の方が静かで、この暗さ、人を寄せ付けない感じの時の方が。神社に神様居る気がするよ?」
「まあ、うん。そう言われれば、確かに……雰囲気はあるね」
「ちょうどいいところに、お賽銭も持ってるから行こうか」
「宮町さん、行く気満々だったでしょ」
「そんなことないよ?じゃほらほら、行くよ」
すると、袖を引っ張られたような感じが。見てみると、まあ、もちろんだが。隣に居る宮町さんがつまんで?いた。
「……なんで俺の袖持った?」
「雰囲気雰囲気。なんかあったら、楓君盾にしないと」
「……頼りない盾ですので、Uターンをお勧めします」
「大丈夫、楓君は強いよ?」
「どこからその偽情報出てきたの……」
「いいから。いいから。ここまで来て帰った方が、神様が何しに来たんだ。って、機嫌悪くするかもよ?」
「……ありえなくもないか」
結局、神社に入ってみました。広いところではないが。足元の砂利?が歩くたびにザクザクと。なんかいつも以上に響く感じがする。周りに背の高い木々もあるからかな?そして、さい銭箱のところはちゃんと電気がついていた。夜に参拝に来る人、居るのかな。とか思いつつ。着くと宮町さんが、小銭を出してくれた。
「はい」
「後で返すよ」
小銭を借りて、夜中にすみません。と。静かにお参り。
「ホント、静かだね」
「うん。声も小声でも、よく聞こえそう」
「ここで誰か、出てきたら怖いね」
「宮町さん、なんか怖がらせようとしてる?」
「してないよ?多分?」
「……まあ、帰ろうか」
「うん。はい、帰りも袖掴ませてください」
「実は宮町さん、言い出したけど、怖いとか?」
「そ、そんなことないから。ほら、行こう。暗いから危ないでしょ?」
「平坦の砂利道だったような……」
「いいから。ほら。行こう」
少し前に歩いた道を、また、2人で歩いて戻る。先ほどと同じく、砂利の音がよく響いていた。さすがに、夜。そのあとも、誰か。人とに会うということはなかった。車は1台すれ違ったが。
家に戻ってくると、そっと、空き家のカギを宮町さんが開けて、中に。
柊と斎宮さんは……大変よく寝ている感じでした。
「私たちも、寝よっか」
「うん。明日は、海だしね。寝ないと暑さに負けそう」
「海も楽しみだなー」
次は、横になると、すぐに寝れた。と、思う。記憶がもうそこでないから。
ちょっと、外の空気吸い。歩いたのがよかったのだろうか。
――――。
ちなみに、その頃宮町家2階。
「あらあらー、仲が良いことで、ね。パパ」
「うむ」
「どこ行ってきたのかしら?散歩?あ、神社とかかな?あそこパワースポットとか一時期言われてたわよね」
「うむ」
「海織もかわいいじゃない。暗いから手とかつなげそうだし。初めてよね。海織がこんなに男の子とよく話しているの」
「うむ」
「パパー?気にしすぎよ?楓君いい子じゃない」
「うむ……いや、海織は、小学生……の頃も、一度なかったか?こんな感じのこと。あの時は、相手の子に会ってはないが。学校で、何とか君と……って。あの時……すぐに、仕事の都合で転校させてしまったからな」
「え?そうだった?うーん。小学生の頃。海織が小学生の頃……伊勢に居た時よね?あの時女の子の友達はよく見たけど……って、パパ。よく覚えてるわねー」
「うむ」
「……パパ。海織のことホント好きよねー。あーあ。私がいながら」
「あ、やっ……それとこれは」
「はいはい。じゃ、さっき2人が出てくるきっかけを作った。パパ。今度は静かに、戸締りと、残りのごみ捨てしてきてね?」
「……はい」
――――。
翌朝。
誰かのアラームが鳴り。少しして、物音がしたと思ったら、部屋が明るくなる。音の方を見ると、ちょうど、宮町さんがカーテンを開けていた。音で、柊と斎宮さんも起きたのか。みんな起き上がる。
どうやら、明るさからみて、今日も、天気予報通り快晴みたいだ。すでに……日差しが強そう。やはり俺は、晴れ男なのだろうか。雨降らないな。なんか予定あるときはほぼ晴れてる気がする。
起き上がりちょっと伸びていると――。
「おはよう、楓君」
「あ、おはよう」
カーテン開けて、布団のところに戻って来た宮町さん。寝起きのはずなのに、見た感じいつも通りなんですが。髪がはねている。とかもなく。完璧のいつも通りの宮町さん。実は一度先起きている?いや、ないか。そして、隣では、起き上がり外を見に行った柊が。
「よっしゃー、晴れた。天気予報通り。楓。泳ぐぞ。って、泳げるよな?」
「え、まあ、それなりに」
「沙夜も早く起きろよ、いつもみたいにグダグダしないで」
朝から柊が元気だった。よく寝れたとか。畳の部屋の香りがよかったやら。言っていたが。元気。海楽しみだったんだな。本当に。なお、その柊の隣では。
「……うるさーい」
斎宮さんは、まだ、眠そうな感じに、ぺちぺちというのか。柊の背中叩いてます。斎宮さんは、本当に寝起きみたいで、いろいろな方向に髪がぴょんぴょんと。
それから男性陣。部屋から追い出されました。まあ、女の子着替えるとのことで。
庭に出ると、朝からいい強さの日差しでした。
しばらく日光浴?して、宮町さんに呼ばれてから、2人と交代。
その前に、宮町家母が来て「朝ご飯できてるから、準備できたらきてね」と、言われていたので、女の子2人と、交代時に伝える。俺と、柊も、準備出来次第。宮町家に、移動しました。
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