case11

 お客さんがそう言いながら呼び鈴を鳴らし続けてると、やっと奥の部屋から年寄りが1人出てきたんだよ。


 「ああ、悪いね、今用事してたとこなんだよ。で、あなたがUさん?ここにサインして、食事は夜は7時にお部屋まで運びますよ」


宿主はそう言うと部屋の鍵を渡したんだけと、俺の部屋の鍵もお客さんの鍵もさ、今のカードキーじゃなく普通の金属の鍵なんだよな。ここだけ時代が止まってるのかと思ったほどだよ、それで各自の部屋に別れたんだけど、部屋の中にあるテレビがまた古いんだな。こういうレトロな宿てのもある意味貴重だから俺は良かったけどね、ただあの客は嫌だったろうけど」

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