case8

 なにやら警官が無線でこそこそやりとりし始め、もう1人の警官は救急隊員のほうに行きなにやら話し始めたんです。


 「さすがに信じて貰えそうもないですね・・やっぱり血だらけの人がこんな所に立ってて、しかもガードレールの向こうに浮いてただなんて一般常識に考えればありえない。私達も帰りましょうか?」


私は代行会社の2人にそう言いました。2人とも納得してくれたみたいで、私達は警官達にどう説明するか考えていたんです。向こうは向こうで何かこそこそやりとりしてるし、どうしたものか考えてたところ、1人の警官がこっちに歩いてきました。


 「3人の方がしかも大人が同時に血だらけの人を見たと言うのは勘違いではないと思います。それにここは今無線で確認した所、1人の若者がバイク事故で亡くなっている事が判明しました。警察官という立場で言うのも良くないですが、恐らくあなた達が目撃した血だらけの若い人というのは、ここで亡くなった若者の無念の気持ちが残った魂というか幽霊みたいなものだと思います。」


その警官の意外な一言に私達は驚きながらも、その警官が事故現場に向けて手を合わせ始めたので私達もそれに合わせて手を合わせ成仏を願いました。

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