case5

 「どうしたんだよ!?鎧着てる奴なんかいねーだろ。」


ぶつぶつとそいつが震えながらまた何かを話しだしたんで、俺は耳を傾けたんだ。


 「滝のほうから大勢の人の叫び声が聞こえる・・助けてくれて・・行かないと・・滝に・・」


はっきりと滝から声が聞こえて助けてくれて叫んでるからそいつは震えながらも、今度はその滝がある方向へと全速力で走りだしたんだよ、助けに行くために。もちろん俺にはそんな声なんてなんもきこえねー。ただ暗闇の中で外灯がわずかにある空間で俺とそいつしかいないてのはわかるんだよ。だけどそいつには鎧着た人間達が見えてたんだな。それと多くの声も聞こえてたのかもしれない。俺はとにかくこいつを止めないと危険だと思ったんだ。暗いし酔ってるし転倒でもしたら大変な事になるからな。で、そいつの後を追いかけて滝まで向かったんだ。

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