case4

 タクシーは完全に橋の真ん中で立ち往生してしまい。エンジンが止まったんです。エンジンをかけてもかからない。私は冷静になろうとシートベルトを外してボンネットを開けて中を確認しに行ったんです。


 「ちょっとわからないですけど、エンジンルーム見てくるのでそのままお待ち下さい。」


で、私はエンジンルームを開けていろいろ確認したんですけど何の問題もなかった。もちろんガソリンだってたっぷり入ってる。私はわからないまま、ボンネットを閉めて車に戻ったんですよ。そしたら・・


「ど、どうなされました?お客様??」


さっきまでペラペラと喋ってたお客様がガタガタと震えてるんです。真っ青な顔で。目は虚でして。私は体調が悪くなったのかと思ってお客様に話しかけ続けました。


 「お客様?お客様??大丈夫ですか?どこか具合が悪いのですか??」


そしたらお客様が変な事言い出すんです。


 「周りに着物着た血だらけの男や女が立ってる・・囲まれてるぞ・・」


変な事を真顔で言い出すもんですから、私まで怖くなってしまって。ふと横の窓の外を向いたんです。


 「きゃぁぁああー!!」


私は思わず叫びました。

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