【脱線話】妬みの生起における予期の役割
※創作のネタではありません
心理や言動を描写するにあたって、心理学の論文が参考になると思い紹介してみます。
妬みとはなにか。それを語らせる場面なんて、そうないと思いますが、その要因なんかを知っておけば、いつか役に立つかもしれない、なんて思っています。
(個人的には最近、妬みをテーマにした作品を書いたので、ちょっと勉強してみた、というところです)
今回は、たまたまネットで見つけた『妬みの生起における予期の役割 』という論文を紹介したいと思います。
(2011年の論文ですが、紹介されている内容が最先端とは限りませんし、ここで紹介する内容すべてが当該論文の主旨ではないと思いますので、心理学の解説ではなく、私のエッセイとして、読んで下さい)
文章で書くと、論文全文を引用しなくてはいけなくなりそうなので、箇条書きで、私がためになったと思ったところを紹介します。
・妬み、同情、シャーデンフロイデなどの感情を3つの観点で分類し当てはめている
・3つの観点その1
自分より優れた者と比較するか、劣った者と比較するか
・3つの観点その2
他者の感情と自分が感じる感情が同質のものか、異質のものか
・3つの観点その3
注意が自己に向けられているか、他者に向けられているか、自他共に向けられているか
・例えば妬みは、自分より優れた者と比較した状況であり(観点その1)、恥ずかしさや怒りの複合的な感情であり(観点その3)、それは比較した相手が感じていない異質の感情である(観点その2)とされる
・妬みは、自分が他者に負けている状況において喚起される
・妬みの対処方法は3つある
悪口を言いふらすなどの「破壊的関与」(小、中学生の対処方法)
自分にとってあまり重要でないと考え直す「意図的回避」
自分なりに努力する「建設的解決」
・他者に勝てる見込みが高いときは、妬み感情が高まりにくい(『獲得可能性が妬み感情に及ぼす影響 』より)
このように感情の構造や原因がわかると、小説のキャラクターが、例えば妬みの感情を抱いている時、それはなぜなのか、そして、どういう行動をとりがちなのかが、おのずとわかる気がします。
少年漫画などに登場する人物は、明らかに強い相手を目の前にしても、自分なりに努力するパターンがほとんどだと思います。その時、妬みの感情は露わにしません。
ルフィは強い相手を目の前にして、嫉妬にかられ、爆発的な強さを現わしているわけでは、絶対に、ないと思います。むしろ、自分に力が足りなかったと反省し、修行したりしていると思います。
らんま1/2の
ポジティブな感情の方が、当たり前ですが、好ましい気がします。
(それにしても、早乙女乱馬とか響良牙の名前のセンスがやばいです。
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