16話 謎の訪問者
謎の来訪者
次の日
「ふぁ~少し寝れて良かったわ」
もう少し寝ていたいという本心は隠して、とりあえず、食堂に向かう。その間に、機工に来ているメールを確認って、ええ?
「式、どうしたんだい? 間抜けな顔して」
どうやら私と一緒で今起きてきたような皐月が問いかけてくる。
「そんな場合じゃないのよ。世界を超えて、メールを送れるようになった機工にバグが発生しているのよ」
「? どういう事だい?」
「とりあえず皐月も起動してみて」
「うん、ってええ? なんで、日にちが七日進んでいるのかな?」
「え、そっちもそうなっているの。どうなっているのかしら?」
「わ、分からない、よ」
あら、雛も来たわね。雛も紀光の日付に驚いているわね。
「やっぱり、雛も解らないよね」
「う、うん」
「まあ放置でいいんじゃないかな?」
「そうね」
「うん」
と言う事で、他の機能に不調は出ていないことを確認し始めた。
倉庫で、一番軽い雛の戦闘機を出庫。問題なく出て来たわね。あと私の方は装着もできるわ。その他の機能も問題ないわね。となると、
「やっぱり、時間だけがおかしいみたいね」
「うん、そうだね。ならそのうち元に戻るよ」
「う、うん」
「じゃあ食堂に向かいましょう」
「そうだね」
「い、行こう」
食堂に向かって歩き出したところで、目の前にいきなり人が現れた。いや、虚空から現れたのはビビるわー。その人が、此方を見つけると、
「わ、悪いが、俺をこの場所の最高責任者の所に連れて行ってもらえないか」
「いや、こんな怪しい人間連れていけないわよ」
それにしても、ピンク髪でロング、幼そうでかわいい見た目なのに口調が男性っぽいわね。服装もフリフリしていて、お人形みたい。
「俺もそう思うが、かなり急ぎの用事なんだ」
「いや、そう言われても、って機工の着信音が鳴っているわ」
見てみると、文からの電話。出て相談しようかしら。
「あ、文? 少し相談なんだけど」
『式、此方で、謎の反応を確認した。とりあえず、近くに何か変化ない?』
「なんか、文たちに面会を求めている子がいるからそのまま連れていくわよ」
『うん、それでいいや。お願い』
通話を切る。そして、女の子に向き直って、って名前を聞いてないわ。
「お嬢ちゃん名前は?」
「お嬢ちゃん?」
周りを見渡し、そして女の子は自身の姿を見る。そして
「ええええええええ!」
あれ? 何か驚いているわね。と言うか大声吃驚したわ!
「なんで俺は、女の子になっているんだ!?」
「いや、知らないわよ。整形屋に行ったんじゃないのかしら?」
「整形屋でそんな簡単に女の子になれるものなのか!?」
「なれるよ。 見た目変えるぐらい簡単だよ」
「見た目変えるだけじゃないだろ! 性別も変わって!」
「「「性別?」」」
私たちは首をかしげる。性別って何?
「もしかして、この世界、性別の概念がない?」
「多分、僕たち、その性別ってもの知らないもん」
「あ、成程、データの削減のためか……ってそんなことあるのか!? と言う事は、ボディメイクをすっ飛ばしたのが原因か! くそ―黒田の奴め! おっと、俺の名前は来須 一よろしくな」
「私は黄井 式、眼鏡かけているのが藍井 皐月、私の後ろに隠れているのが赤井 雛。よろしくね」
「よろしく」
「よ、よろしく」
「で、さっきの話だけどよ、性別がないって事は、男とか女とか言っても通じないのか?」
「いえ、その言葉は通じるわ。ボディの種類よね?」
「ああ、そういう感じなのか。まあいいか、では、此処の責任者の所に連れて行ってもらえるか?」
「ええ、いいわ。行くわよ」
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