第45話。 藤色

街をさ迷いながら、覚えのある社に辿り着いた。


庭の端に藤が植えられており、見事に花が咲いている。


どれだけの間さ迷っていたのかわからないまま

花の香りに精気を与えられ、男は今度はしっかりとその歩みを進めた。


心臓の鼓動

不思議な花の力で

生きながら死んでいた身体は生命を取り戻した。

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