第38話。老い松

松の緑は老いてもなお力強くその色を保つのに、若すぎる君の逝く先はどんな色に染まるのだろう


やるせなさだけがこの身を包み、差し伸べたい手もちじこまるのみ


残された足跡をただみやるのみ


残された言葉に聴きいるのみ


有情、無情のこの世は空蝉

桃源郷へ歩み入る君を願い

この手を合わせる

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