第24話- 彼岸花

道の脇に咲く彼岸花が手持ちの明かりに灯篭のように揺らいでその道を照らす


夕闇のなか、時おり白く光る花が見えた


"彼岸の頃に咲くからそんな名前がついたのよ"

母に似た声が耳をくすぐる


墓参りの帰り道、先程見えた白い花がゆっくりと深紅に染まっていった


心の中のわだかまりも少し消えた

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