(二)‐8
三年生になり、級友たちが受験勉強に打ち込む時期になった。この頃には恵美の髪は背中の肩甲骨の辺りまで伸びていた。郁雄も美大の学科試験の勉強と、デッサンの練習にますます励むようになった。学校生活と部活動に加えてこれらをこなすと忙しかった。
ただ、恵美は違っていた。恵美も、美大の受験をするものだとばかり思っていたが、違うとのことだった。
三年生になったばかりの四月に、恵美が入院をすることになり、一週間ほど学校を休んだ。何か重大な病気かもしれないと郁雄は心配したが、恵美は「検査するだけだよ」と言うだけだった。心配かけまいとしているのが郁雄にはわかった。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます