第209話 変化した?

 スターリン「ニコライ二世の亡霊が出るのはこの辺りか……ロマノフ家、そしてロシア帝国最後の皇帝よ、聞こえるか?私が新しいロシアの指導者だ」


 ニコライ二世「ほう、そうかね。それで、ロシアは今も大国かね?」


「もちろんだ! ベーリング海峡から黒海沿岸まで広がっている」


「軍隊は強力か?」


「ああ、いつでも動く準備ができている」


「秘密警察はまだあるのか?」


「前の時代より有能で、国民の首ねっこをがっちり押さえているよ」


「政治犯はシベリアに送っているのか?」


「もちろん。あんたの時代より大勢な」


「国民は今もウォッカを飲んでいるか?」


「相変わらずな」


「ウォッカの度数は今も40%か?」


「いや、今は42%だ」


「……それじゃあ、何か? ……君らは革命とやらであれだけ大騒ぎして、変わったことといえばウォッカの度数が2度だけなのか?」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る