第77話 ロシア皇帝

 ロシアに皇帝がいた頃の話。


 一人の警官が酒場に乗り込んできた。


「表まで聞こえてきたぞ。貴様等、皇帝陛下の悪口をいうなればとは何事だ」


「そんな滅相もない」


「俺達は、隣村の奴らの悪口を言ってたんでさぁ」


「陛下の悪口なんて畏れ多くてとても言えませんよ」


「なんだ人騒がせな連中め。今度から気をつけろよ。馬鹿だの無能だの低能だの言ってるのを聞くと、皇帝陛下のことだと思ってしまうからな」

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