徳島線

昔ながらの


型の古い電車に揺れて


川の流れに沿って


あてもなく俺は流れる


あの部屋を出ていった


『俺がいれば邪魔になるから』と


置き手紙を残して


何も言わずに出て行く


もう帰れない


あの町には


もう引き返せない


川の流れに逆らえず


行くあてもない


ただ1人さまよう


男1人旅の


徳島線



幼き頃


辿った(たどった)


川沿いの国道の風景も


昔の町の


風景も


変わず残っていた


窓際の席に


1人で座り


駅に着くたびに


ため息ばかりを


吐いて


電車が出るのを


待っている


もう会えない


君にはもう


もう愛せない


何もかも疲れたよ


愛をなくして


ひどく傷ついた


男1人旅の


徳島線



徳島駅に


電車が着いて


1人駅に降り立ち


駅の外へ出て


どこへ行こうかと


しばらく考えた


無理しなくてもいいよ


俺はふられてもかまわないから


俺のことは忘れて


好きなあの人とやり直せよ


もう帰らない


あの町には


もう引き返せない


川の流れに逆らえず


君を忘れたい


愛を無くした


男1人旅の


徳島線

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