人生でいちばん勉強している

 高校受験のとき、もうこれ以上勉強するってことはない、と思いました。

 しかし、大学受験のとき、あんなに限界とまで思っていた高校受験以上に勉強し、もう、人生でこれ以上勉強するってことはない、というほど、とにかく、勉強しました。


 中学生のときにも高校生のときにも、恩師の先生がたに恵まれ、それはたとえば授業を担当していただいていただけで個人的にはほとんどお話をしなかった、というような先生でも、もちろん、恩師は恩師です。

 そんな先生がたの、ひとつひとつの言葉をいっぱい覚えております。


「人生で、こんなに勉強する時期っていうのは、そうそうないよ」


 そんな先生がたの言葉を胸に、もう人生でいちばん勉強しようと。そう決めて、高校受験も大学受験も、臨みました。


 しかし、しかし。

 人生でいちばん、いまがやっぱり勉強している、と思います。


 いちばんは、いま。

 二番めは大学受験のときで、三番めは高校受験のときです。


 いまはなにをやっているかというと、大学四年生です。

 でも、通信制大学の大学四年生なので、たぶんいわゆるふつうのといいますか、通学生の大学四年生とは、だいぶ違うと思います。や、年代とか、仕事とか、生活とか、そういう面がですね。



 大学生です、と言うと、もしかしたらこう、「恵まれている」という印象になるのかもしれません。それもわかります。私ももろもろあって、あんなに勉強したすえどうにか行くことになった、最初に進学した大学を、泣く泣くといいますか、やむをえず、いたしかたなく、どうしようもなく、中退していますので。


 でも、通信制大学は、ちょっと違う、と思います。もちろん「恵まれている」ひともいるのですが、しかし、いろんな条件と環境のひとがいます。ほんともう千差万別です。

 そもそも現役の大学生の年齢のかたは、少数派で。二十代、三十代、四十代、五十代、六十代、それより上の年代のかただって……みなさんがみなさん、目的意識をもって、学んでいます。

 お仕事をされながら。ご家族のお世話をしたり面倒を見ながら。持病、障がいを抱えながら。ニートやひきこもりを経験してから……私もしいてどれかと言えば、ひきこもりをがっつりと経験していますので、そこからのスタートだったかと思いますが。


 学費も通学制に比べるとびっくりするほど安いです。もちろんまとまった額はかかりますが、それでも、おそらく、通学制の十分の一程度、というのがその水準なのではないかと思います。じっさいそのおかげで、私は入学してからの学費のほとんどすべてを、自分で払って通うことができています。

 とはいえ、たくさんたくさん学ぼうと思ったら、そのぶんはかかります。そのぶんは自分で優先順位をつけます。

 それは「我慢」とも呼ばれるのかもしれませんが、自分の裁量で、自分で自分の学費を払って、生活のほうもいまはもちろんどうにかして、だれにも文句を言われないで自分の納得ゆくまで学問を続けるというのは、これは、圧倒的な「自由」であると感じます。



 話が、すこし逸れましたね。

 そういうわけで私はいま、通信大学生の最終学年をやっているわけですが。

 そしてもうすぐ卒業なので、いろいろやってるわけですが。

 もう、ほんと、これでもかってほど、勉強します。

 勉強してます。


 中学生のときも高校生のときも思いました。これ以上勉強することなんて、ありえないって。つねにそのときの限界があって、そこまではやっていて、もがいているうちに、限界がほんとうにすこしずつすこしずつ軋むようにひろがっていく。

 そうやっていままでずっとやってきました。


 まさかおとなになっても、もっと勉強しているとはなあ。若いころの私が聞いたら「うそだあ」って言いそうです。だってあんなにやってたもんね。

 やってたよ、あんなに、当時だって、やってたと。いま振り返ったって、思います。

 でもいまのほうが、やってるんだよ。すごいね。人生って。ほんと、わからないです。



 ……ってことは、これからも、こういうことは起こるんでしょうねえ。

 いま、また、別の大学に通う準備をしています。

 そしてそれはもちろん、そのあとの進路――まあそんなにぼかす必要もないかもしれませんが、要は、大学院に進んで、いまやっている研究をもっともっと続けるためです。どこまでいけるかはわかりません。でも、いけるところまではいきます。「自分には無理だ」って本気で心底思った瞬間があれば、やめようと思っています。それは作家になりたいなって思ったときといっしょですね。まあ幸い作家にかんしては、結果的にとてもありがたいことに、続けられておりますが……。


 できれば作家一本で生きていこうと思っていた若いころは、こんな展開はまったく予想していませんでした。大学には行きたかったのですが、大学院にはまったく興味がなくて。

 それなのに、どうして行きたく思ったかって、いまの通信制大学でやっている勉強といいますか厳密には「勉強」ではないですね「研究」が、おもしろくって、おもしろくって、もっと続きをやりたくって深めたくって、たまらなくなってしまったからです。


 研究をやるために、いっぱい勉強してます。

 ……あ、あとは、教員免許の取得のためにも、ですね。卒業と同時に、免許状を取得できるよう、がんばっております。



 そんなこんなの毎日です。

 でもそれはそれとして小説は書きたいしなあ。

 公開したいしなあ。

 バランス、とっていきたい毎日です。

 そっちもいっぱいやっていきますよ!!


(2020年10月24日 20:06)

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