第18話 元ゆー、メフィストを盛大に折る、新勇者に魔獣を狩らせる


「主様は天界と関わりがあるのですか?」

とメフィストが訊いてきた。

まぁ、今迄散々神がーとか言ってきたからなー、こいつ、そのうち俺を「神ガー」とか呼びはじめそうで嫌だな。


「んーー、無い事は無いかな?くらいじゃね?

ほら、俺ら使い回しされている勇者ってさ、死んだ後は呼ばれるまで待機しているんだよ、出番待ちってやつ。

その場所が今は天界なんだよな。

下界ビジョンとかあって、チャンネルがスゲー多いの、各世界の各時代の各国のTVが見られるから。それだけでも結構暇潰せるんだよねー」


「聞かなきゃよかった、、、」

「おい、おま、、便利なんだぜ?マジで!!天界だから何も喰わなくてもいいんだけど、でもいろんな菓子とかアイスとかジュースとか果物とか食べ放題でさ、他の出番待ち仲間も居るし、わりと暇を持て余さないんだよね、、、だから”呼ばれないほうがいいなー”とか思っちゃうくらい!!」


「・・・・やっぱ聞かなきゃよかった、、」

「おま・・

「ゆーしゃのイメージがだだ下がり、、天界のイメージがだだ下がり、、」

「んじゃ、おまえのイメージってどんなんだよ?」


んーーー、

「例えば、天界で剣術稽古している勇者?」

「召喚される度に強くなってるんだぜ?俺以外だって半数以上が10回近いんだ、稽古なんかしなくても怖いものなしだろ?」


「んーー、お花畑で蝶々が舞い飛び、ハープを女神が泉の側にいて弾いてて、、それを聞きながらお茶を楽しむ神々、、とか?」

「ぷ!ぷーっぷぷぷぷぷ!!なにそれ?ぷーっぷぷぴー!!」鼻汁鼻ちょうちんが出てしまいましたw


「いや、メフィストフェレス君、魔国育ちだからそーなの?今時人間でさえそんなイメージ、ぷーっぷぷ!

いや、そんなんで潰せる時間どんだけだろ?一日中茶を飲んでろ?いやだよw


大方の神々は、下界ビジョンのリアル街角を見て、賭けしてるよ、戦争なんかおこったら天界中で賭け大会だね!!」

・・・・・糞神ども、死ねっ!!

メフィストフェレスくんはそうおもいっきし強く、それはもう強く強くつぶやきました♪


「あとなー、たまに、、神になるとたまに下界に下りて、いろいろやらかすらしい。でもこの噂はひた隠しに隠されているので、神ではない俺達にはほとんど入ってこなかったなー」

 

「入ってきた、って話は?」

「ああ、、ある阿呆に、お前は神だ、って吹き込んで世界を巻き込む大宗教にさせちゃった♪とかなー」

「大迷惑ですな、、、、でも似非神なんでしょう?その宗教、良いんですか?」

「いいに決まってるじゃん、神自体がそんなの似非だって分かってるんだから。楽しんでるよ、騙される阿呆達を見て」


「・・・ゲスも極まりないですな、、、」

「はっはっは!んなもんだって、、、怒るなよwww

あとなー」

「いえもう結構っす、お腹いっぱい、、、今日はもう寝るっす、、、」

え?まだお昼前だよ?

「あとはお願いしますっす、、」


あー、、なんかメフィストの心を盛大にばっきばっきに折ってしまったようだな、、何がいけなかったんだろう?

おもれーじゃん神達、、




メギーとたらちゃんに後を任せ、

俺はタカシ(勇者)と森に入る。

もう先行した客達が入口付近のは狩り尽くしたらしく、気配もない。

ずんずん奥に進む。


お、気配!!

「おーし、いくぞー!!」

「えー、、はーーい、、めんどくせー」

「おーい、くっさい靴のおねいさんはいらないんかー?」

「わかりましたって、がんばりますよーー!」


ごぶごぶどもです。10匹程度です。

俺らを見た途端襲ってきます。

タカシと前後をスイッチしてま・る・な・げ♪

「よしガンバ!たかし!」


え?って顔も一瞬、ゴブが棍棒もって飛びかかってくる、

その棍棒を左手で払い、剣で胴を逆ギリ(右から左に)、

返す刀を振り上げて、上から飛び掛かってきたゴブの顔面から真っ二つ、斬って下に向いた勢いを回転に変換しながら前から切り込んでくるゴブの剣を回避するために右足を軸に左足を右足前を回して右足右にくるっとし、数センチの差で回避後、おっとっとっとっと、とタカシの目の前に飛び出したそのゴブのクビを突く。

引き抜く勢いでまた半回転し、後ろから来たゴブを右から左に胴なぎ、そのまま勢いに引っ張られるように左に数歩横移動し、左足を軸に90度左回転しながらその勢いで目の前に来たゴブを袈裟斬り。

周囲の攻撃範囲内のゴブはいなくなった。


「パチパチパチパチ!!!流石一応勇者なだけあるな!!無駄が無かった。」

いやぁ、、としているタカシの後ろから飛びかかるごぶを、左脇の下から剣を出してぶっ刺す。

「おまえ、今のゴブ得物持ってたら、、」

「え?得物なかったっすよ?」

ほう、さすがだなー、資質は伊達じゃないってか、、、


残りのゴブは逃げていったようだ。


「今の、踊るような立会、女性が見たらいちころなー」

「まじですか?!!」

「おう、、でも見せる機会ないからなーー

あ、そうだ、おまえダンス習えば?アレだけ動ければ、うまくなるぞ?」

「えーー?」


「貴族のおぜうさまとか、チャンス在るぜ?」

「・・・・いらねー、、」

「そうか、、だよなぁ、、やつらじゃ靴臭そうな可能性ゼロだよなぁ、、」

「絶対に!」

こいつ、、、



んじゃ、もっと奥に行こうぜーー

って

ずんずんずんずん


カキーン、カキーン、ごん!、ぼん!!ぼぼん!!

おうおう、この音、剣と盾とファイアーボールかなー♪

ベテランの一歩手前、ってとこかな?


見えた、

茂みの中に隠れながらはいけーん♪

おい、タカシ!

タカシに戦いがよく見えるように。

「パーティーでの戦いの参考になるから、よく見とけ」

「うっす!」


相手がオーガ、3mクラスが3匹。そこそこ削られている。

冒険者側、4人。負傷者等は見えず。魔法も放っているのでまだ大丈夫だろう。

彼らの表情に厳しさはまだ見られない。

逆にオーガ側は苦戦してるのか?嫌がっている表情だなー、めんどくせー、って感じ。

って、大物狩猟者としては最も効果的で安全な攻め方できているってことだろう。


「オーガ達の表情みてみ?」

「えー、わからんっすよ、」

「いーから見ててみろ」

・・・

・・・

・・・

「嫌がってる?」

「正解!あのチームは強いオーガ達が苦手とするような攻撃の仕方を続けている証拠。

弱い人間が大物狩りをするときに最も有効で危険が少ない方法だ。よくみとけ」

「うっす」


半時から一時間くらいだろうか?3匹を狩り終わった。

俺らはさとられないように離れた。


「戦闘の覗き見はあまりよくないからな。必殺技とか見られたくないだろ?。挨拶して堂々と、ってんならいいが、断られる場合もある」

「はぁ、、」

「でもお前はまだ初心者だから、いっぱい他者の戦闘を見ていかなければいけない。そして、全体を見るのと同時に剣士の動きも見とけよ?お前には重要だからな。」

「ういっす」


どんどん奥に行く。戦闘してるチームがあったら、覗き見るw


やっと大物、オーガに出会った。

「おお!やっと会えたぞ!どれだけ待ち焦がれたことか!!オルフィーヌ!!」

「誰っすか?」

「冗談だよ!そんだけ獲物に待ち焦がれていたってことだよ!!」


??って顔したオーガが、やっと思い出して襲ってきた。

俺が二歩下がると、当然タカシが俺の二歩前に居る。で、オーガの標的に。

しゅばつ!! すれ違いの一斬、オーガが崩れ落ちる。


「かっけー!!!おまえ、見せるのうまいなーー!!見物料とれるほどうまいぞ?!!」

えへへぇ、、ぽりぽり、、

ほれ、もう一匹!


後ろから棍棒をタカシの脳天に向かって振り下ろすオーガ、左足軸に半回転で避け、そのまま剣を斜め上に突き出して心臓一撃。


まじ、こいつ、かっこいい戦いする!!

強さはともかく、ナマケモン一番!ってのと全く裏腹だよな!!

とても残念な趣味がなければ、一国の主になれたかもなぁ、、まーいーけどw


「暗くなってきたんで、帰宅ぅーー」

当然瞬間移動でタカシの部屋へ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る