疑う勇者 おめーらなんぞ信用できるか!
ユニ
第1話 勇者は10回ほど召喚される
俺は数回ほど殺害されている。過去の勇者召喚で呼ばれたすべてでまぁ殺害されている。
勿論その召喚された世界はすべて違う世界。同じ世界の繰り返しは無かった。
最初の時、勇者として魔王を討伐し王都凱旋、そのパーティーで毒を盛られた。
それが普通の毒であれば俺には効かなかった、勇者なので強い耐性があったから。それを超える毒など作れるのは王家の抱える魔道士以外にいない。
俺、つまり勇者の殺害は、魔王が消え、最大強者となった勇者が邪魔になった王一族の仕業だったと言えよう。
二度目の時、俺はうさんくさそうな王達に用心した。俺は魔王を討伐した直後に行方をくらませた。
そして用心に用心をかさね、気付かれないようにして他国に逃れた。
しかし、すげーな奴等、自分達の既得権益を脅かす対象を潰すことにおいては敵も味方も関係なく与しあい、結局俺は世界中で追われまくった。
ジャングルの中に隠れおとなしくひとりぼっちで暮らしていたが、それも1年ほどでしか無い。そんな所まで奴等の手は伸びてきたのだ。
ネチネチとしたそのしつこさにとうとうブチ切れた俺は追手を全滅させ、その国の王都を壊滅させ王族を一人残らずミンチにし、数々の国を滅亡させた、が、結局数の力で押し切られ、俺は殺された。
三度目の場合、最初からパーティーメンバーは俺が見つけ出してきた。
で、皆にそれまでの事情を話し、信頼できる仲間になった。
魔王討伐後、返す刀で王都攻略、国を奪った。全ての貴族達を根こそぎ粛清し、俺の仲間達のみで国を運営した。
が、全国民の信頼を受ける俺達の国に隣国のみならず遠方からも人々が移住し始め、それを含めて周囲の国々は俺達を最大脅威とし、世界VS俺の国となり、滅亡させられた。
四度目の時は、王女との結婚を先にすることを条件とした。王家の身内に成れば王も安心するだろうと思い。そして、主要貴族の娘達を側妃とした。
が、次期王である長男は俺を妬み恐れ、悪意をもち、それに王も主要貴族の当主もその跡継ぎたちも全員付いた。それに気付かぬうちに俺はまた毒殺された。
でも、
これだけ騙されてりゃ当然なんだが、俺は保険をかけておいた、魔王との間に。魔王を討伐したことにして、実際は討伐していない。俺が生きていればお互いに住み分け、俺が殺害されたら人類滅ぼして良いよ♪ってな。この回の魔王は温厚で物分りが良かった。
五度目の時は、4度目のときのようにはならないように、俺を次期王にすることを条件に加え、王女と主要貴族の長女を側妃にした。
が、今度は王女達にも裏切られた。当然だが(同上)
六度目の時は、めんどうくさいので、魔王と一緒に世界中の王家を滅ぼした。
で、その後魔王のたっての頼みで魔王と一騎打ちしたら、力が足りず負けた。
七度目の時は、もうはなっから逃げた。
世界中を逃げた。
でも結局3年後に捕まった。逃亡中に結婚した嫁とその後生まれた赤ん坊を人質に取られ、気がかりのまま魔王討伐に行き、全力出せずに負けた。温厚な魔王だったが、俺のパーティの奴らが王の手先でなー、魔王と話し合いができなかった。
八度目の場合は、転生直後自殺した。一般人に生まれ変わるよーにと必死に願い。
でも勇者に転生した。意味なかった。自害だが、まぁ殺害されたようなもんだ。
九度目の時は、前回だ。
魔王討伐には「向かわな」かった。「向こうがこっちに押し寄せるまでまってる」と。
待つこと数十年?、
人類を全滅さしてやっと魔王は俺の居る城に来た。
俺は、「わはははは!よくぞここまで来たな魔王よ!」
って迎えてやった。話し合いは魔王に却下された。「勇者と戦うためにここまで来たんだ!」ってなー。戦闘狂種族はこれだから、、
魔王パーティーは頑張った。が、魔王一人残して他の5人は討ち死に。
激戦だった、、ただ、俺が食っちゃ寝食っちゃ寝していたのがわるかったのか、ぽっちゃり100キロ超体型がフィジカル戦闘の邪魔をしくさって、、、
俺が死ぬ間際に、俺に勝った魔王がドロップアイテムの宝箱の蓋を開けた。その中には「スカ」と書かれた紙切れが一つのみ。
唖然としている魔王の横顔を見られた吾輩は、満足して逝った。
さて、で、今ココ。召喚転生10回目記念です、何しようか?やることねーよもう、出がらしだよ。
「こら!貴様、何ひとりでごちゃごちゃ言っている!!」壁際のモブが叫ぶ
俺が小柄で可愛らしい顔で幼く見えるから舐めてるんだろうな、元高校生だぜ?一応
召喚された直後だ。まだ魔法陣の中央にいる俺。
「あ?」おめー何偉そうに言ってんの?
「消えろ」
そいつは消えた。
・・・・
その場にいる10数人は固まった。
・・・
「、、あの、、どこに飛ばしたんですか?」
「あ?消したんだよ、消えろ、って言ったの聞こえてんだろ?ごちゃごちゃうるせーんだよおめーら」
・・・・
ひそひそひそひそ
しずかにな、けされちゃうからな。で、どうするよ?王、捕らえろとか言うなよ?無理だからな?。なにこれ、魔王並?以上?こえーよ。
俺にげよーかな。
あ、おれもー。
誰か下手に出てうまく誘導しろよ。
お前言い出しっぺなんだからおまえな!。
何?王に何いってんだ?あ?死刑にするぞ?。
ああ?やってみろや!お前もすぐに勇者に消されるんだよ!ざまぁ!!。
おいおい何ガキみてーにくだらねー喧嘩してんだ?。
あんたらいまそれどころじゃねーだろ?。
王女だと思ふ。
・・それだ!!!!!(一同)
怯える王女を蹴り出す王。
とっとっとっととと、、、よろけて前にとととと出てくる。
「勇者様、、、、シクシクシクシク、、、こ、殺さないでください、、まだ、まだ私、、」
わーわー泣き始めた。
ピン! ヒラメ板♪
「おめーら、」
「「「「はいいっつ!!!」」」」
「俺に一切関わるな。
だいたいだな、ひとが折角気持ちよく死んでるのに勝手に呼び出すんじゃねーよ。何本人の許可も取らずに呼び出してんだ?こーいうの誘拐って呼ぶんだぜ?
お前ら、俺が気分でおまえらを勝手にどっかに転送転移したら嬉しいか?あ?
そこの、おまえ、いけ。 (消えた)
今の奴がどこいったかわからん、ランダム転送した。たぶん異世界に行ったんじゃないかな?
お前らがしたことを、仕返してやっただけだ。
・・・((((大汗))))
お前らがそういうことやったんだから、自分がやり返されるってことも充分理解しているんだろう?
剣を持つ者は、自分が斬られることも承知で剣を持つだろ?そういうことだよ。
で、
召喚の術を使ったバカは、、おまえか?」
いかにも道士って感じのマントを来た数人。美少女がその頭をやっているのか?
「いかにも。私達があなたを召喚したのです!」美少女
なんか、してやった!みたいに勘違いしているよなこれ。
「んじゃ、お礼に、、むにゃむにゃむにゃ、、最悪の異世界に転移しろ!」
音もなく消えた道士達。
「これでもうお前らは、他の世界の住人を誘拐できなくなったな?お前らは誘拐犯一味なんだよ?」
・・・・・・
「さて、判決は死刑だ。」
うぎゃー!!きゃー!!わー!!!んげーーw!!おかーちゃーん!!マミー!!
逃げ出そうと扉に殺到
「うごくな」
全員そのまま固まった。魔法で固めたのだ。
放置し、俺は昼寝に入る。
ふぁー、、、よく寝たわーー昨晩下界ビジョンで深夜番組見てたらくだらなすぎて見入ってしまったからなぁ、、
あ、、放置しっぱなしだったなー、、、くっせーくせえ、、垂れ流すなよーw
「おまえらあと3日放置な」
皆涙目。勿論口も声帯も動かないんで喋れない。
城から出る。ついでに「城の敷地範囲、全員うごくな」。
あ!これでいんじゃん!! いや、、つか、今城燃やして、勇者召喚の関係者全員始末すりゃ、俺が来たことを知っている者はいない!!
「城、全範囲、炭になるまで萌え続けろ」ちがった、「燃え続けろ!」
やった!!最初からこれやっとけばよかったんだ!!誘拐犯一味全滅させればよかっただけ!
なーんだ、簡単なことだったんだなー、、9回ほど殺されたけど、、良い勉強だったよ!はっはっはっはっは!!!
いや、最初の頃はそんな力無かったけどね!!
で、どーしよかね、これから。
魔王討伐なんかやらねーし。勇者廃業しました、たった今。
後ろでは城が青白い炎に包まれ燃え盛っている。そこまで燃えるものなど無いはずなのに。
(** なぜそんな転生を繰り返しているのか?は、あとあと出てきますw )
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます