43日連続「練馬区・区報より」
遡上する鮭から1匹捕まえて
名前を付けて熊前に置く
(アボカド郎・45歳男性)
【作者より】
はっちゃけねりま和歌集のコーナー、いつも楽しく拝読しております。さて今回の一首ですが、私事ながら43日連続で利用している贔屓のパン屋への熱い思い、特に好物の「スモークサーモンとアボカドのサンドイッチ」に対する並外れた愛情を込めさせていただきました。
産卵のために川に帰ってくる鮭たちの様子を英語で「サーモン・ラン」といいます。歌のイメージ内での私はそのサーモン・ランを見るためにカナダを訪れた観光客です。遡上する鮭の群れに感動した私はその1匹に当て身を食らわせ、感動のあまり思わず「夢子」と若い頃に好意を抱いていたグラビアアイドルの名前をつけてしまいます。
私の傍らには先ほどの大格闘で前後不覚となった雄の熊(サーモン・ラン見物の場所取りのためやむなしといったところでした。為念)がおり、自然への敬意を示すため、私はその鮭を熊に見せます。夢子です。夢子なんですよ、と。
以上が拙歌のバックボーンの部分です。アボカド要素がどこにも入らなかったために作者名として強引に入れるなどの至らぬ点もございますが、是非先生の忌憚なきご意見をいただけますと幸いです。末筆ながら風邪など召されませぬよう。
【選評】
赤ペンの入れようのないすばらしい歌です。しいて言えば長い。短歌に対して長いという感想も変ですがまじで思いました。一応このコーナーのルールですので私ならこうするというスタンスで書き直してみます。31文字すべて書き直したので最初はびっくりするかもしれませんがこちらに謝るつもりはありません。
はるか空、ドローンからの映像で
川べりでなんかやってる中年
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