2019年10月29日 パラレルなフィクション

 わたしはテレビが昔から嫌いだった。あまりにも安直なパッケージに包まれた番組。事あるごとに派手なテロップが流れ、その内容も芸能人のハマっているファッションだの食い物だのと、クソどうでもいいことが垂れ流されている。


 わたしは世間でタブーとされていることを観るのが好きだ。わたしは社会の秩序というものが、あまりよく分からないから、それを知っておきたいのだ。なのに、テレビ屋は秩序に対して答えを持っているわけではない。彼らの秩序は会社を存続させることで、それ以外のものは何もなかった。


 秩序。世間。わたしたちのパラレルなフィクションなのだ。この世界は。


 ワイドショーではコメンテーターが個人間で解決すればいい程度の過ちを犯した有名人のゴシップについてあーだこーだ言ってずっと語っている。


 いつも思う。


 テレビ局がもっとも長時間垂れ流しにしているのは「芸能人の不祥事」だ。


 そして不祥事を起こした芸能人がスポンサー絡みの場合は映画やその芸人が出演しているCMは打ち切られる。


 しかしワイドショーそのものでは、封殺された芸人を長時間垂れ流して、司会者とコメンテーターが決められた台本に沿って叩く。


 視聴率が上がるから。

 金が儲かるから。

 欺瞞に満ちている。


 テレビを窓から投げ捨てろ!

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