戯曲「碧い空に小石を投げると」

もりた りの

碧い空に小石を投げると

あらすじ

おいら・・・男の子(小学6年生)

あたい・・・女の子(小学6年生)


都内から外れた地域の小学校が舞台。昭島市のような。

夏休みが終わって、席替え後に2週間位経ったある日から始まる。


登場人物は、おいら(男の子)とあたい(女の子)。

席替えで隣通しの席になり、あたいが窓際の一番後ろの席、おいらはその隣。

席替えまでは、顔を知っている程度であまり話したことはなかった。あたいは前から、おいらがサッカーをしている姿を見ていて、ずっと淡い恋心を抱いていた。

おいらはサッカーが好きなのだが、足を痛めていてクラブに参加出来ず、最近は学校の裏庭でひとり時間を潰している。そこに、あたいが話しかけにいく。

あたいは突然、おいらと交換日記をどうしてもしたいとお願いにくる。

急な話においらは戸惑うが、あたいの熱意に負けて交換日記を始めることになる。

(お芝居は、基本的に「二人の会話」と「交換日記を読み合う」ことが交互に繰り返されて進んで行く)


交換日記のルールは、嘘は絶対に書かないこと。

「二人の会話」ではお互い、些細なことで嘘を言ってしまうのだが、交換日記では本当のことを告白していく。

二人で遊んでいるとき、突然あたいの左目に我慢出来ないほどの痛みが走る。後日、次はあたいの左腕に痛みが走る。その痛みはしばらくすると引いてしまうので、おいらはその痛みについては気にも留めていなかった。


交換日記はしばらく続いていたのだが、ある日、あたいが日記の交換は、手渡しではなくお互いの家の郵便受けに入れることにしようと提案する。あたいは、その痛みを伴う病気によりそのうち学校に行かれなくなることを知っていての提案であった。あたいの病状が悪くなり、あたいは学校を休む日が続くが、交換日記だけはずっと続いていた。


その交換日記で、あたいの病気が「多発性硬化症」(体が石になっていく病気)であることを告白する。少しずつ体の自由奪われていってしまう。

おいらは治る見込みのない病気であることを告白され、自分には何もしてあげられないことに思い悩む。おいらは、あたいに会いに行こうとするが、あたいは自分の姿を絶対に見られたくないから、その病院の場所は教えない。

交換日記を進めるうちに、あたいは体の自由が完全に奪われて石になってしまう。

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