小説家になろう最強の武器。これなしに「なろう」は語れない

 これまでのアクセスランキングで、「小説家になろう」が海外のトップサイトと比べてもダントツでアクセスが多いことを紹介した。

 なろうの特徴で一つ、大事なことを見落としていた。多分、アクセス数の多さにはここが大きく関係していると思うので、語っておく。

 それは、API(https://dev.syosetu.com/)の存在だ。


 なろうでは、サイトの機能の一部を開発者が自由に使えるようAPIとして提供している。このAPIを使ってなろうの小説を掲載するWebアプリなんかを作れる。


 どんな機能があるのかはここ(https://dev.syosetu.com/man/api/)に書いてあるのだが、かなり詳細だ。サイトの検索よりもこっちの方が細かい条件で指定できる。


 例えば文体。公式の説明によると、

——

文体を指定できます。ハイフン(-)記号で区切ればOR検索できます。

 1:字下げされておらず、連続改行が多い作品

 2:字下げされていないが、改行数は平均な作品

 4:字下げが適切だが、連続改行が多い作品

 6:字下げが適切でかつ改行数も平均な作品

——

 他にも会話率。

——

 抽出する小説の会話率を%単位で指定できます。

範囲指定する場合は、最低数と最大数をハイフン(-)記号で区切ってください。

——


 手始めに、自分の作品のパラメーターがどうなってるのか調べてみよう。ncode=に続く部分を自分の作品のコードに置き換えるだけだ。

https://api.syosetu.com/novelapi/api/?ncode=n7393gj


 ふむふむ。会話率は43%なんだな。地の文の方が多いけど、会話もそこそこある。


 APIを使って、自分が好きな種類の小説だけをまとめたサイトを作ったり、独自の視点で紹介するサイトを作ったり、そんな使い方が考えられる。実際にそういうサイトがたくさんある。

 なろうには埋もれてしまった小説を掘り出して読む読者がいると聞く。他の小説投稿サイトでは連載が終わって流れた作品は埋もれて二度と出てこないが、なろうではたまにアクセスがあるから不思議だ。多分、このAPIで作ったサイトから来てるんじゃないかな。


 例えば私は比較的硬めの文体の現代モノ、アクション、サスペンスなどが好きなので、こんな風に打ち込んでみる。

https://api.syosetu.com/novelapi/api/?notgenre=201-202&nottensei=1&nottenni=1&buntai=6&kaiwaritu=0-30&word=アクション 現代&notword=ファンタジー


 それっぽいハードボイルド系の小説群が出てきた!

 もちろんこれだけではテキストの羅列が出てくるだけなので使い難い。実際にはサイトにWebアプリとして組み込んで使うんだ。



 APIを提供しているのは、少なくとも日本のサイトではなろうだけだと思う。海外ではwattpadも提供しているようだが、あまり高機能ではない。サイトでできること以上のことはできなさそう。

 これだけ高機能のAPIを解放しているのは地味に凄い。これがなろうのアクセスに貢献しているのは間違いないだろう。


 ぜひ他のサイトでも提供して欲しい。読み手は性癖に完全一致する小説を簡単に探せるし、書き手はマニアックな小説でも読んでもらえるようになる。

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