God's destination
空閑漆
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煌びやかなショーウインドウが並ぶ通りは昼から夜へと様相を変えようとしていた。
買い物を終え帰る途中なのか袋を下げ歩く短いスカートの学生、背広の男たちは会社帰りに居酒屋にでも寄るのだろう。頭を刈り上げた青年たちがファーストフード店へ消え、子連れの女性が電気店の前で足を止めた子を急かす。
ネット販売が主流になろうとも、一定数は実販売を好み繁華街というものを形成していた。変わったのは街よりむしろ人間の方だろう。義手、義足といった枠を超え、人は体内に機械を組み込むことに抵抗感を感じなくなっていった。
機械化した腕を振りかざし歌う歌手が一部に崇拝され、社会問題として取り上げられたのは過去の話。今では奇抜なファッションとして町の至る所で当たり前のように闊歩していた。
夜の闇は寒風と共に迫り冷たい影を落とす。大通り沿いに植えられた街路樹の葉が散り、バスを待つ人たちは身を震わせていた。そして、脅威が迫る。異変に気付き顔を上げた女性の顔が恐怖に引き吊った次の瞬間、その身は黒い血を浴びていた。叫び声に呼応するように巨大な爪が風を割き、新たな悲鳴を産む。
駆けつけた警官が見たのは生残極まる惨劇。逃げ惑う人々は渋滞する車をすり抜け道路にまで溢れ、事態を飲み込めていない運転手がクラクションを鳴らす。
歩道には切り刻まれ呻くことも出来ずに絶命した死体が転がっていた。傷を負って逃げきれた者はいない。人形のように次々と細切れていくのだ。
犯人が人であったのなら、駆けつけた警官も役に立っただろう。だが、それは人ではなかった。その姿を形容するならば人狼。それも右肩から拳に掛けて歪に肥大化した片腕を持つ獣だ。
阿鼻叫喚する人々の中で、それを画面に収めようとする
映像を見た人々は死を築いていくその存在を知っていた。それは
今まで想像の中でしか存在しえなかった生物が現実となり、儚い存在が未知の力を持つ。なぜそのような存在が生まれるのか。何のために生まれたのか。全てが謎であり、それ故、恐怖の対象となって人々の記憶に刻まれた。
跳ね上げられた車が他の車を巻き込み、爆発と共に赤い炎が更なる混乱を招く。
その時、上空から強烈な光が当てられ炎と黒煙の中にいる
光を遮る様に片手をあげた
しかし、そのドアは投げられることはなく、近くの車に引火した炎が盛大に爆発すると、
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