第224話日本政府の憂鬱

301日目


昨日は、オダ帝国からに使者が来て時間を取られ、予定通りに帰還が進められなかったので、昨日できなかっら日本への帰還を進めます。


日本政府は帰還者の扱いを長期隔離から、精密検査で数日隔離に変更し、帰宅を許可しているようで、政府対策室の人の話では、マスコミがハイエナのように帰還者の居所を突き止めては取材を申し込んだりし、若干トラブルなども起きているそうですが、中には目立ちたがり屋なのか、それともこの機会に稼ごうと思ったのか、一部の人はテレビなどに出演し、異世界の話などをしているようです。


そして結晶に閉じ込められていた人達にかんしても、結晶が徐々に溶け出し、それなりの人数が検査の後帰宅をしているそうです。

どうやら結晶の解ける速度は一定では無い様で、時間がかかっている人も居るようです。

恐らく魔力量辺りが関係してるんだろうな。


まあ、とりあえず結晶が溶けるのが遅くても害はなさそうだし、特に気にする必要はないか…。


そう思いながらも、政府対策室の人と雑談をしていますが、いつも自分の対応をする鈴木さんが居ない為か、いつもより皆さん積極的に声をかけて様々な質問をしてきます。


「異世界と地球が融合したら魔法とか使えるようになるんですか?」


「魔物ってサンプルで貰った奴以外、どんなのが居るんですか?」


「異世界の土地には化石燃料とかあるんですかね?」


「やっぱ、これからでも剣か槍を覚えておいた方が良いですかね?」


「最近の若い子はユーチューバーとかがなりたい職業上位ですけど、そのうち冒険者とかになるんですかね?」


……。

…………。


なんか、政府としての質問より個人としての質問の方が多いような…。


そんな事を思いながらも、雑談を続けていると、環境省から派遣されている人が、まともな疑問をぶつけてきます。


「なんでも核関連の物が消滅するって聞きましたけど、原発などが稼働を停止したら電力供給に少なからず影響が出るかと思うんですが、魔石や魔力なんかを代替エネルギーとして使用は出来ないんでしょうか?」


そんな真面目が急に飛んでくるので一瞬驚きましたが、自分の予想を伝えます。


「恐らく魔石を使用し代替エネルギーにするのは可能でしょうが、魔石で原発の替わりのエネルギーにするには相当大きな魔石が必要でしょうし、融合後、地球にどの程度魔力が満ちるかによって魔物から採れる魔石の質も変わってきますから何とも言えませんね」


「そうですか、てことは、火力、水力がメインで風力や地熱、太陽光なんかで電力を確保する事になりそうですが、火力発電に必要な物の多くが輸入に頼っている日本なんかは場合によっては苦しい立場になりそうですね…」


「それは? 今まで通りに輸入すればいいんじゃないですか? 何か問題でも?」

「ええ、まず輸入は船での輸送になりますが、融合により航路が変わる可能性もあります。 それだけならいいんですが、やはり利権問題が大きくて、日本人だけが異世界に転送され事で、各国も日本だけが異世界の国々とパイプを作りやすく利益を独占するんじゃないかと騒ぎ出してる国もあるんですよ」


「ああ~、まあ確かに利権絡みは面倒ですからね、しかもネレースが異世界人に不利益を与えるような事をしたら何かしら罰とか与えそうだし…。 そうなると日本だけが得をすると言われるわけだ…」

「そうなんですよ、既にアメリカや欧米諸国にアジア諸国が国連を巻き込んで利益を均等分配すべきなんて発言も飛び出してますし、日本の隣国もあわよくばと言わんばかりに外交圧力かけて来てるみたいですから」


「無視できないの?」

「無視はできませんよ、下手に無視をしたらそれこそ国際問題に発展して孤立しますし、最悪経済制裁なんかされる可能性もありますし、日本が優位に立っているだけでも既に圧力が日々強まっているんですから」


う~ん、各省庁に努めてる公務員さんは大変だな…。

まあ伝えてはいないけど、日本の近くに融合される大地には化石燃料も鉱物資源もあるから、それ以外の大地は外国にに任せておいて、日本の近くの大地と取引すればいいから、そんなに心配しなくても大丈夫なんだよね。


まあアジア諸国がどう出るあだけど…。


ネレースに地球の何処に異世界の国々を融合させるか今度聞いておこう。

それが分かれば少しは日本政府に対する外交圧力も弱まるかな?


まあ国と国の揉め事は自分には関係ないし。

なるようになるかな…。


あとがき--------------------------------------

2021年4月29日から新作の「戦国時代の初期にタイムスリップ? いえ、ここは異世界らしく天下統一の為に召喚されたみたいです」を投稿いたします。

5月度は毎日更新しますのでお読み頂ければ幸いでございます。

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