__お菓子の家__ (307文字)

「ヘンゼル! みてみて! この家、おかしで出来ているよ!」

「えっ? ・・・ほんとうだ!」


おどろいた事にその小さな家は、全部がお菓子でできた、だったのです。


屋根のかわらが板チョコで、

まわりの壁がカステラで、

窓のガラスが氷ざとうで、

入り口の戸はクッキーと、

どこもかしこもお菓子でした。


二人のお腹はペコペコだったので、ヘンゼルは窓ガラスをはずしてガリガリと、

グレーテルは壁はぎとってムシャムシャと食べました。


すると突然、お菓子の家はバランスを崩し、倒壊してしまいました。

ヘンゼルとグレーテルは驚いてしまい、急いでその場から立ち去りました。



悪い魔女は板チョコの下敷きとなり、

誰にも気づかれないまま、息を引き取りました。

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