__生贄__ (334文字)
星の角に用意されたろうそくに、時計回りで火を灯していく。
全身真っ黒なKKKのような格好をした司祭が、暗がりの中から現れる。
司祭は両手を使って、血の儀式の生贄となる鶏を持ち構えている。
鶏はこれから自分の身に起こる未来を理解しているのか、抵抗もなく、おとなしい。
助手である私が、妖しく光りを反射するナイフを司祭に渡すと、
司祭は何やら呪文を唱え、鶏の首元をナイフで切断した。
しばらくの間、血は天井まで届くほどに噴射した。
頭を失った胴体が暴れ出すが、司祭が力づくでこれを抑え、
狂ったように鶏の鮮血を六芒星に捧げた写真に浴びせる。
その異様な光景を見て私は思ったのである。
「今日の晩御飯はチキンカレーか、タンドリーチキンか・・・」
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