第63話 ラファVSカマリ

「さてと、今なら情報さえくれれば、見逃すのだけれど?」


 ラファが杖を構えながら、余裕そうに言うと、


「何を言っているなの? 邪魔者は始末するのがわたしの仕事なの! 死ねなの!」


 両手の爪を黒く、そして長く伸ばしながらカマリはそう言い切り、禍々しいマナを纏い、黒々とした斬撃をラファ目掛けて放った。


「プローテ!」


 それを、ラファが透明な盾を出して防ぐ。


「!!」


 驚くカマリを他所に、ラファが冷静に言う。


「やはり、君は魔術を使えるね! 属性敵には闇系かな?」


 分析をはじめるラファに、カマリは苛立ちげな様子で、


「うるさいなの! ゼレン様が『翼』を起動させる邪魔はさせないわなの!」


「ほう、『翼』とかきたか! それは興味深いね! もっと詳しく聞きたいね!」


「! うるさいうるさいうるさいうるさいなの!!」


 そう言うと、カマリは禍爪を縦横無尽に、まるで鞭のようにふるい、ラファを襲う。

 が、ラファは空中に浮き、その爪を華麗にかわしながらも、先程の盾で攻撃を防いでいく。


「くっ! これならどうなの!?」


 禍爪がさらに大きくなる。そして、近くの地面をえぐり、持ち上げた。


「ぬぁぁぁぁぁ!!」


 持ち上げた地面を、ラファ目掛けて力とマナをのせて投げつける。禍々しいオーラを纏ったそれは、普通なら回避不可能な程の威力だが、


「メルス・フォア・フランメ!」


 ラファの放った巨大な火球により、一気に霧散した。


「は? えっ……なの……?」


「残念だけれど、ただマナをのせただけでは、魔術の濃度はそこまで上がらないのさ! ま、それを理解するには、魔術を本格的にやらないとだね! さぁ、色々聞かせてもらおうか! レラ・クルーハ!」


「うっ!?」


 カマリの動きが止まる。それを確認すると、ラファは地上に降りて彼女に近づくと、


「さて、質問だよ! ユグルスを知っているかな?」


 カマリの目から覇気がなくなり、ゆっくり口を開く。


「ユグルス……『翼』のことなら、ゼレン様の悲願を叶える装置なの……」


「ふむ。では、私達の他に、ここに連れてこられた者はいないかな?」


「……ノオン・アスラフィル。ゼレン様の子供……悲願のための……生贄なの……」


「ほう? さて、ゼレンの悲願とはなにかね?」


「……それ……は……がががががが! うがぁぁぁあ!!」


「! しまった!」


 カマリは絶叫すると、自分の脳天目掛けて禍爪を放ち、彼女はゆっくりと倒れた。

 ラファが警戒しながら近づくと、カマリはこと切れていた。


「……死んだ? いや、もしや自滅術式でも埋め込まれていのかな? これは……かなりヤバいかもしれないね……」


 そう呟いた後、ラファは周囲を見渡す。すると、


「おや、このマナはシャインかな? フレナはまだっぽいし、彼女と合流するかな!」

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