第2話:告白…?いや、イジメかっ!?




〜翌朝〜



「んーー……」



 ぼーっとしながら起きた俺は、だんだんと目を開けていく。



(……そういえば今日は何曜日だ?)


「学校!今日あるんじゃないのか!?」


 俺は急いで母さんに学校があるのか聞くため、階段を降り、キッチンにいた母さんに聞いた。



「母さん!今日って学校ある!?」


「あら、おはよう!今日は学校あるけど…」


「Oh…今何時!?6:10だ!あれ…余裕か…?」


「じゃあ今日は道も覚えていないだろうし車で送ってあげるわ!あ、先生にもちゃんと説明したから朝に連絡してくれるはずよ」



 昨日と全然違う…!?


 まあとりあえず助かった…。



 俺は時間割を探し、今日の用意をゆっくりとした。



〜学校〜




「まさか…お前が記憶喪失になるとはな…」


「えと……なんかすいません……」


「いや、別に責めているわけじゃない。まあ朝ちゃんと連絡してやるから安心しろ」


「ありがとうございます!」



 この男の人は俺の担任の先生らしい。



「そんじゃ、教室行くか」


「は、はい」





 俺は教室の前で待ち、先生から呼ばれるのを待っていた。


(いじめられてたらどうしよう…)


「〜〜〜」



 先生が今日の連絡をしている。俺のことは最後に言うらしい。



「えー最後に、実は重要なことがある。入ってきていいぞ」


「は、はい」


(うわー…すごい見られてる……)


「えー、鳴瀬が昨日記憶喪失になってた。以上、解散!」


「「「「「えええぇぇぇ!!??

」」」」」




 俺を含め、クラスのみんなで驚きに包まれたのであった。

 そんな雑な報告あるか!?



「えっ…鳴瀬お前本当に記憶なくなったのか!?」

「鳴瀬くん大丈夫なの!?」

「なんで言わなかったんだあ!!」


「え……ええと………」



 俺が周りを囲まれて、困っていると。



「おーい、お前ら授業始まるぞー」



 先程とは違う先生が入ってきた。どうやらもう授業が始まるらしい。


 助かった……。


 俺の席は窓側の一番後ろの席だった。隣は女子だが…やっぱり思い出せない…。


 授業が始まり、ノートに黒板に書かれたことを書き写していた。


 勉強はまあまあできる…忘れて少ししかできないのか、それとも元々この頭脳なのか…。



 すると。



「ねぇ、鳴瀬。本当に記憶なくなったの?」



 隣の女子から話しかけられた。



「ああ、うん…そうだよ」


「じゃあ私のことも覚えていないの?」


「うん……ごめん……」


「そうなんだ……あの…次の放課ちょっとついてきてくれない?」



 なぜか顔をすこし赤くしてそう言ってきた。


「いいけど…」



 その後は特に何もなく、授業が終わった。


〜〜



 授業が終わり、言われた通り、隣の女子についていった。


 なんだか後ろからつけられてるような…?気のせいか?



 すると女子は止まり、話しかけてきた。



「ねぇ…本当に忘れているのよね…?」


「うん…そうだよ…?」



 なぜそこまで聞くのかわからなかったが、次の言葉を聞いた瞬間、そんなことはどうでも良くなった。



「あのっ……じゃあその……私と付き合ってくれないかしらっ!!」


「………は?」



 は?待て待て、どういうことだ?


 記憶を無くしている男になぜ告白なんぞ…。



 しかも俺は“彼女ができたことがなく、モテない”ということだけははっきりと覚えているのだ!



「え…とあのなんで———」



 俺が理由を聞こうとすると。



「ちょーーっと待ったぁーー!!」



 突如、後ろのから声が聞こえた。そこにいたのはクラスメイトの一人だった。



「何抜け駆けしてんのよ!私だって鳴瀬が好きなんだから!」


「はっ!?」



 どういうことだ…?なんで二人して……。



 俺が考え込んでいると。



「ちょっと、二人とも何をやっているのかしら?」



 次は身だしなみに厳しそうな…風紀委員が似合う女性がやってきた。


 ふぅ…。おそらくこれで事態収ま———



「私だって彼と付き合いたいわっ!」


「はぁあ!?」



 な…なぜ……、とまたも考えようとする前に。


「抜け駆け禁止ですよー!」

「みんなして独り占めしようとして!」

「わ…私も……(ゴニョゴニョ)」

「おい、迅!なぁにやってんだぁ!」



 次々と女子達がやってくる…。


 どういうことだ……。



 はっ!もしやこれは一種のイジメっ!?



 俺は…俺は騙されないぞ!



「うわぁぁん!!」



 俺は女子達から逃げるべく、あてもなく走り出した。



「「「「「「鳴瀬(迅)くん!!

」」」」」」




 この日から女子達は自分のものとするため、鳴瀬は騙されまいと決意したのであった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ここまでは短編と同じです。


次の投稿は少し待ってください。

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