第53話 私だけが彼の凄さを知っている
クラスに変な男子って必ずいる。
見た目も良くなくて、誰とも喋ってなくて、さほとんど喋ってるところを見たことがない、そんな男子。
みんなも彼がいることすら気づいてないくらい興味もなくて、何かの拍子に交流すれば気味悪がるだけ。
でも私は知っている。彼はすごいということを。
それは他の生徒も、先生も、たぶん彼の親も知らない。もしかしたら、彼自身も自分の才能に気づいていない。
こういう人は実は結構いるのだ。
個性を磨けと口でいいつつ、協調性を絶対の正義として洗脳してくる日本の学校、いや社会では彼のすごさを知ることができる人は少ない。
今に見てろ。私が彼を世界に認めさせてやる。
あとの話は勝手に想像して。
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