第27話
しばらくして、ようやく気が収まったのか二人がスッキリした様子で戻ってきた。
リーシア「まあ、まだやり足りませんが主様を待たせるのも申し訳ないので、あの辺で止めておきました。」
アノン「私達を軽視、特に翔をバカにしたんだからこうなるのは当然!」
リーシアはともかく、アノンまで参加するのは意外だった。
うん、まあ、あれだね。
こんな可愛い二人によってたかって構ってもらえる(物理と魔法)なんて幸せなことだと思うよ…。
翔「あ、ありがとうね、二人とも……」
そうひきつった笑みでお礼を言う。
男の方を見るとかろうじて生きているのが分かるレベルなくらいボロボロだった。
だが、意識はありそうだ。これはこいつの強さが原因なのか、はたまた二人が気絶させないように手を抜いたのか…。
おそらく後者だろうなぁ……。
翔「おい!意識あるんだろう?
殺されたくなかったら色々話してもらうぞ!」
??「むひゃ、ひゅぅあ」
無茶言うな?
あ、そっか喋れないのか。
とりあえず話せるくらいに回復させてやった。
??「すまなかった!なんでも話す!だから殺すのは止めてくれ!頼む、いや、お願いします。」
先程とは全く態度が違うな、まあどうでもいいけど。
翔「なら殺されないように質問に答えてね。
君達は何者?何の目的でここに来たの?」
??「俺達は……じゅう、いや魔人だ。ここには、ダンジョンの奥にある神話級のアイテムの捜索に来たんだ。おそらく最上階の部屋にあるはず。ちなみに、なんなのかまでは分かってない!本当だ!」
まず鑑定してみる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カイム 種族:魔人
Lv90
HP:198/1280 MP:67/1150
攻撃力:945
耐久力:903
速 度:875
知 性:970
精神力:944
幸 運:168
スキル:身体強化、怪力
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なるほど、確かに種族は嘘をついてないようだ。
というか、レベルの割にステータスが低いな!
奴隷市場にいた時の二人にさえ負けてる……
しかもここの雑魚倒してレベルもかなり上がってるだろうし……
そりゃあリーシアが素手でもボコれるわけだ。
翔「なぁ、カイムくんとやら、確かに本当に魔人なんだね。もしさっき獣人と言っていたら俺は君を殺さなきゃいけなかった、いやぁー正直に言ってもらえてよかったよ。」
笑みを浮かべながら言う俺を見て、カイムはいろんな意味で怯えていた。
こう言うときはちょっとサイコっぽくすれば簡単に恐怖心を与えれると誰かぎ言ってたけど本当だな!
カイム「は?え?何で俺の名を!?それに魔人というのが本当だと分かったのか確認したのか……
もしや、お前も鑑定を持っているのか?」
俺は少し能力を盛って答える。
翔「うん、持ってるよ。しかも君のちゃっちい鑑定なんかじゃない。
その証拠を見せてあげるよ。
ふむふむ、レベルは90で全体的にステータスは900台で物理攻撃も魔法攻撃もどちらも使えそうだね。でもスキルは完全に物理寄りだから戦闘は肉弾戦がメインかな?
というふうに、こんな感じで種族も名前もレベルもステータスも、君の考えてることも全て分かるんだよ。」
ちょっと考えると心の中まで見れるなんてブラフだと分かるだろうが、酷く怯えてしまっておりまともに考えれなかったのか簡単に信じてくれた。
翔「あ、ちなみに、君の得意な肉弾戦で君を圧倒したリーシアは魔法特化でかなり物理攻撃は苦手なんだよ。
ねぇどんな気持ち?自分の得意分野で女の子に舐めプされてボコボコにされるってどんな気持ち?www」
カイム「ば、化け物じゃないか……」
俺の渾身の煽りもカイムには最早届いていなかった。
こうしてるのも時間の無駄だし、どうしようかな?
そう悩んでいると、意外にもカンナが提案してきた。
カンナ「その人に案内役でもさせたらどうでしょう?
さっきの口振りから私達よりはここに詳しそうですし、私よりも弱そうなので別に脅威にもならないですし。」
流石カンナさん、容赦ない発言で魔人の心をぐさぐさに突き刺す。
でも確かにそれもいいか、むしろ今解放してダンジョンに出た後火をつけられたりする方が面倒だ。
翔「そうだね、じゃあそういうことでカイム、お前は今からお宝までの案内役だ!」
そう言うとカイムは観念したように頷いた。
あれ?そう言えばさっきからダンの姿が見えない?
翔「ねえ、ダンはどこに行ったんだ?」
カイム「ああ、あいつはパニクって逃げたんだろう。
転移結晶を持たせていたからそれを使ってな。」
なるほど、そんなものもあるんだな。
まあいいか、それより神話級の武器だなんて話を聞いたら欲しくなるじゃないか!
え?ティルがいるじゃないかって?ハハハ!俺はハーレム王を目指すから別に問題ないのだよ!
しかし、神話級のアイテムってことはティルの知り合いもいたりするのかな?
ティルに聞いてみると
ティル「さあ?いるにはいるけど、ここにいるかどうかは分からないわね。
」
そう興味なさそうに言った。
そっか、じゃあ行ってみようか!
、と俺達はカイムという役に立つかどうか疑わしい案内役魔人カイムをゲットし、ダンジョンの奥に進むことにした。
後書き
読んでいただきありがとうございました。
感想、レビュー、ブクマ、評価(下の星)、批評等していただいた皆様、本当にありがとうございました。
皆様の評価や閲覧が励みになっています!
これからも投稿させていただきますので、
よろしくお願い致します!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます