第21話
翔「いい考え?」
早速竜の国へ向かおうと言いかけたところでリーシアがそう言ってきた。
リーシア「はい!私は竜の国に行ったことがありますので、スキル転移を使用すればすぐにでも竜の国に行くことができますよ。」
あ、そういえばリーシアにはそんな便利スキルがあったな、しかも複数人同時転移のできるんだよね?
翔「ナイスだよ!リーシア!それじゃあ早速行こうか!
ちなみにここにいるメンバー全員で転移はできるんだったかな?」
リーシア「ありがとうございます!早速お役に立つことができ光栄です。
もちろんです!人数が増えると多少MPの消費量は増えますがこの人数ならそこまで問題にはなりません。」
複数転移もできて、MPの消費量も少ないのか、転移は本当に有能なスキルみたいだな。いつか入手できないかなぁ。
翔「頼もしいね!じゃあ早速連れていってもらってもらおうかな!
アノン、お母さんは竜の国のどのあたりにいるかリーシアに教えてあげてくれないかな?なるべく近いところから行きたいから。」
アノン「分かった、リーシア。お母さんのいるところは【竜の聖巣】の近く、場所分かる?」
リーシア「はい、もちろん分かりますよ!
でもその前に、一つ思ったんですけど、なぜアノンちゃんのお母さんは竜の国で封印されているのですか?
アノンちゃんが人間の国に行ったというのが原因なら人間の国で封印されるのではないでしょうか?」
確かに、そう言えばそうだな、
というかリーシアが言うまで気付かなかったことに少し情けなさを感じた。
その問いに対し、アノンが詳しく解説してくれた。
アノン「確かにそこを説明してなかった。
私達が住んでる竜の聖巣の近くにある平原に人間の国と繋がってる転移ゲートがあるの。
そこを通って私が人間の国に行って、色々見て回った後に転移ゲートを通って帰った。その時に、私がドラゴンだと気付いた数人が私の後をつけて転移ゲートを通ってきた。
そこで私が襲われたところにお母さんが駆けつけてくれたんだけど…
数人が何かをしたかと思うと、急に視界が眩い光に包まれた。
そしてその光が収まった時にはお母さんが封印されてた。
これがお母さんが竜の国で封印されてる理由。」
なるほど、そういう経緯があったのか。
というか転移ってスキルだけじゃなくゲートでも行けるんだな。
しかし、そんなものがあるなら今後もゲートを通ってそういう危険な奴がくる可能性があるんじゃないか…。
そう思い口を開こうとした時、先に俺の疑問をリーシアが聞いてくれた。
リーシア「そういうことだったのですね、ですがそれなら急がねばなりませんね。そういう輩がそのゲートを通ってまた現れるかもしれません。急いでお母さんのところへ向かいましょう!」
……俺の立場が完全に取られてる、俺ってもしかしていらない子…?
そう思っていると腰に下げたティルから鼻で笑う声が聞こえてきた。
カンナを見てみると、
カンナ「おいしい!おいしいですこれ!なんていうお菓子なんですか!?」
こちらの事を気にせず奴隷商人に出されたお菓子を呑気に食っていた。
流石にイラッと来たのでカンナが持っているお菓子を奪って食べた。
カンナ「あーー!!私のお菓子!翔さん!酷いですーーー!!」
翔「真剣な話をしているのに呑気にお菓子を食べてるのが悪い。それよりもう出発するよ!」
そう言いリーシアに転移をしてもらうように頼んだ。
リーシア「分かりました!それでは皆さん集まって下さい。転移します。」
そして俺たちは光に包まれた。
光がなくなると、そこには平原が広がっていた。緑豊かで建造物のない開けた場所だ。それだけだと人間の国近くの平原とさほど変わらないが、よく見渡すと空には赤、茶、青等のドラゴンが空を飛んでいた。
カンナ「すごいです!!本物のドラゴンがそこら中にいます!!」
アノンもドラゴンなんだがな(笑)
まあ人化しているからドラゴンっていう実感はないし興奮するのも無理ないか。
ティル(私も初めて来たけど、やっぱり竜の国っていうだけあってドラゴンが多いわねー)
翔(そうだね、まるでドラゴンのバーゲンセールだ!)
ティル(バーゲン…何って言ったの?)
珍しく興奮気味なティルにしょうもないことを言ったところでまじめな話を切り出すことにした。
翔「アノン、ここからお母さんのところまで結構距離はあるのか?」
アノン「ううん、ここからすぐ近くの所にいる。ありがとう、リーシア。おかげで早くお母さんのところに早く行ける。」
そう言うアノンに対してリーシアは笑顔で応える。
そんなやり取りがひと段落したところで、アノンを先頭に平原を進むとすぐに大きな竜の石の塊、おそらくアノンのお母さんの元にたどり着いた。
アノン「お母さん…」
不安そうな表情のアノン、
この表情を早く消してあげないとな!じゃあすぐ封印解除に取り掛かろう!
翔(ティル!早速だけど封印を解きたいと思う、ティルの能力でできるよね?)
ティル(ハァ…、やっぱり使うのね…。まぁあの子も仲間になっちゃったからもう関係ないなんて言えないしね!
もちろんできるわよ。あと、これは能力じゃなくて呪いよ!)
そして俺はティルを鞘から抜き、初めて呪いを使用する準備に入った。
後書き
読んでいただきありがとうございました。
感想、レビュー、ブクマ、評価(下の星)、批評等していただいた皆様も本当にありがとうございました。
これからも投稿させていただきますので、
よろしくお願い致します!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます