第19話
宿に戻り自分達の部屋の前まで来た時に、中から二人の話をする声が聞こえてきた。
ティル「ねぇ、カンナ、あなたはマスターのことぶっちゃけどう思ってるの?」
カンナ「え?翔さんですか?うーんとですねー」
お、これは恋バナってやつか!?
そうならそれを仕掛けたティルは少なからず俺に好印象を持ってると見ていいよね!
俺は心の中で喜びの舞いを躍りながら、カンナの返答に耳を傾ける。
カンナ「そうですねー、翔さんは私の眷属を殺してくれたましたからねー。」
ティル「え!?」
あれ?もしかして結構根に持ってる感じ?
これじゃあ好感度どころかむしろ嫌われてるんじゃないか。
確かにいつもの会話でも結構雑にあしらってるし…
やっぱり接し方には気を付けないとな…と
まじめに反省していると
ティル「あなたたちの間に何があったかは知らないけど、今は一緒に冒険する仲間でしょう?自分の眷属を殺されて怒る気持ちは分かるけど、カンナの眷属は今も生きてるんだし許してあげてくれないかしら?」
ティルさん!!俺は良い魔剣を持って幸せ者です!!
するとカンナからこれまた予想外の返答が返ってきた。
カンナ「??何を言ってるんですか?別に翔さんに対して怒ったりなんて一度もしていませんよ?
むしろ勝負に負けた私に酷いことせずにこうして一緒に冒険してくれてるのでむしろ感謝してるくらいです!!」
?????待って、カンナの思考回路がマジで分からない。
それはティルも同じだったようで反応から今???状態になっているのが分かる。
ティル「え?どういうこと?眷属を殺されたから怒ってるんじゃないの?」
そうだよね、普通そう思うよね!
しかしカンナにとっての普通は違うらしかった…
カンナ「そんなことで怒らないよー、さっきのは、眷属を殺せるくらい強いのに仲間になってくれたからいい人だなーって言おうとしたんだよー。」
…カンナはサイコパスなのだろうか。
確かに眷属を殺した後酷く怯えた様子だったが、俺が危害を加えないと分かると普通に話してくれたな。
ティル「うーん、眷属ってカンナにとって家族みたいなものじゃないの?」
カンナ「全然違うよ、眷属は道具みたいなものだよ。もし眷属を家族や友達のように扱ってたら変な奴だと思われちゃうよー。」
なるほど、そういうものなのか。
まあ、道具だから雑に扱ってもいいってことにはならないが、
そういうことなら先のような反応にも納得することができた。
ティル「ふーん、そんなもんなのね。危うくカンナの事酷いやつ認定するところだったわ。」
カンナ「ひどい!!」
よかった、これでハーレム要因にサイコパスがいるなんてことはなくなったようだ。
そこで満足していると
カンナ「そういうティルはどう思ってるの?」
と話を恋バナに戻した。
ティル「私!?私は、正直まだ会って日が浅いけど…
マスターに使用されることになって良かったと思ってる。
今までこうやって話したりすることなんてなかったし、一緒に冒険とか、頼られることの嬉しさとか、それを感じることができるようになったのはマスターのおかげだから!」
カンナ「そっか!じゃあこれからはもっと一緒に楽しいことしようね!」
ティル「うん!ありがと!カンナ!!」
ええ話やな~、これからはティルに色々経験させてあげよう!
そう思い俺がニヤニヤしながら部屋に入ると
カンナ「なんかニヤニヤしてますね?もしかして盗み聞きしてたんですか?」
入室してすぐにそう言われた。
翔「え?あ、いや別にそんなことしてないよ~。あはは…
あ!そんなことよりみんなの俺とカンナのステータス鑑定してもいい?」
そういえばクエスト後に鑑定をしていなかったのを思い出しそう提案した。
カンナ「そういえばかなり倒しましたよね!早速見ましょう!」
ティル「私も?私は剣だからステータスなんて変わらないと思うけど…」
翔「まあ鑑定はタダだしやるだけやってみるよ」
こうして誤魔化すことに成功した俺は、自分とカンナ、それとティルの鑑定を行った。
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宇佐田翔
LV68→Lv321
HP:6880/6830→41024
MP:57805780→35748
SP:5690
攻撃力:7742→35921
耐久力:6899→30134
速 度:6521→25940
知 性:6472→23415
精神力:6200→22055
幸 運:9702→35689
ユニークスキル:難易度変更LV1、アイテムボックス(無限)
加護:天使の加護
取得済スキル
怪力LV10/10 魔物召喚(位)LV10/LV10
俊敏LV10/10 潜伏LV1/10
剣技LV10/10 火魔法LV10/10
風魔法LV10/10 土魔法LV1/10
雷魔法LV10/10 水魔法LV10/10
鉄壁LV10/10 鑑定LV1/10
探知LV1/10 毒耐性LV10/10
麻痺耐性LV10/10 睡眠耐性LV10/10
弱体耐性LV10/10
剛力LV2/10 魔物召喚(上位)LV2/10
疾風LV2/10 堅城鉄壁LV2/10
騎士LV2/10 幻惑耐性LV10/10
魅了耐性LV10/10 呪い耐性LV10/10
取得可能スキル
炎魔法:20 氷魔法:20
嵐魔法:20 稲妻魔法:20
火耐性:10 土耐性:10
風耐性:10 水耐性:10
雷耐性:10
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「すべての現在取得可能なスキルをスキルレベル10にしても過剰にSPが余ることを確認しました。
余剰ポイントを利用してスキルの最適統合、および最適進化を行います。
よろしいですか?」
Yes or No
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ステータスの数値がかなり上がっていたが、それよりもスキルが勝手に統合、進化されようとしているのに驚いた。
正直スキルが多くごちゃごちゃしてきたなと思っていたのでそういうスキルが出ないかとは思っていた。
なので世界の声?が勝手に行ってくれる分には好都合だ。
二人の鑑定を早くしたいのでさっさと進化してもらおう。
Yes!!
そう念じた直後、刹那の間頭の中を何かが駆けずり回る感覚がしたがすぐに収まり、
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「統合、進化が完了しました。すぐに表示致しますか?」
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いや、後で見ることにするよ。
そういうと声は何も言ってこなくなった。
さて、じゃあ気になる二人のステータスはどうかな?そういえばカンナのステータス見てなかったな。正直に言うと、戦力として数える気がなかったから鑑定スキル手に入れた後も見てなかったんだよな(笑)。
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カンナ(ドミネートヴァンパイア)
LV178
HP:12190/12190 MP:11988/11988
攻撃力:3245
耐久力:3096
速 度:3011
知 性:4146
精神力:4428
幸 運:2988
ユニークスキル:完全支配
スキル:身体強化、眷属化
眷属数 28/50
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カンナが直接戦うところは見たことなかったのでステータスが低いとは思ってたがこういうことか。
レベルに対してステータスが低すぎる。眷属に戦いを任せるわけだ。
しかしこのドミネートヴァンパイアっていうのはなんだろう?創作物でもこんなのきいたことない。
ユニークスキルに完全支配ってのがあるからこれが関係しているのかな?
鑑定で調べた方が早いか。
ドミネートヴァンパイア……主に眷属を駆使して戦うヴァンパイアの超希少種。
素のステータスはほかの吸血鬼と比べると遥かに弱いが、ユニークスキル完全支配を上手く使えばヴァンパイアの真祖すら超えるヴァンパイアになる。
完全支配…眷属のステータスを加算することができ、スキルも全て使用することができる。
ただし、眷属が最大人数いなければこのスキルは発動せず、認識をすることも困難。
新たに仲間にする二人も含め、パーティーの中で最も弱いと思っていたカンナが引くほど凶悪な能力を持っている…だと…
しかし当の本人はそのことに気付いていないようで
カンナ「すごいですすごいです!私のステータスが4桁です!しかも3000台!これで私のこと馬鹿にしてた皆を見返せます!」
無邪気にステータスを見て喜んでいたからだ。
ちょっと微笑ましい。
言ってあげようかと思ったが、まだやめておこう。
今はそんなに強い敵もいないし。
最後にティルを鑑定しようと思うが、剣が成長するのだろうか?
そう思い鑑定を行うと確かにステータスには変化はなかったが…
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魔剣ティルフィング ランク:LR
進化の可能性 有
条件 不明
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という表記が追加されていた。
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