第12話
ロイ「準備はもうできたのか?
…というか今何をしてたんだ?」
律儀にそこで待ってくれていたロイさんがそう聞いてきたので、スキルの割り振りをしてますと伝えようと思ったところでレベルアップ時の声を思い出した。
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「経験値を獲得しました。レベルが上がります。
……天使の加護によりスキルポイント(SP)の獲得に成功しました。」
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SPは天使様の加護によって獲得したものだ。
もし、この天使の加護が特別なものでSPを獲得できる人がほとんどいない、もしくはSPの存在すら知られていなかった場合面倒なことになる。
と、いうことで適当にごまかすことにした。
翔「そんなことより、いよいよ念願の武器(魔剣)との対面ですね!楽しみだな~」
ロイ「頼もしくて結構だが暴走なんてしないでくれよ!」
そういい魔剣の入った箱を目の目に持ってきてくれたので俺はもう待ちきれないとばかりにその剣を手に取り鞘から抜く。
ほぅ…
その剣は魔剣と言うにはあまりにも美しかった。柄の部分には上品な金の装飾、刀身は艶めかしさを感じさせるほど綺麗だった。
刀身はまっすぐで大きさは片手で扱えるほど、しかし魔剣からは物言わぬ圧のようなものを感じた。。
想像以上にカッコいい!これで能力も高いんだからもう最高の武器だ!
次は性能をみるか、とステータスを確認しようとした時だった。
???「ちょっと!何覗こうとしてんのよ!!殺すわよ!!」
なんとなくそうかなと思っていたが…やっぱりこれはあれだ!魔剣が美少女になるパターンのやつだ!
とりあえずここはテンプレに従って無難に驚いたふりでもしとくか。
翔「だ、誰?まさか剣が話してるのか?」
俺が魔剣を触りだしてからは緊張の面持ちで静観していた二人だったが剣が話したと聞いて堪えられなかったようだ。
カンナ「え?剣が話しているのですか?」
ロイ「聞いたことがある、高位の武器の中には意志を持つものがあると。そしてその意志に飲まれると暴走しちまうっていうのも有名な話だ…」
しかし、俺の演技はばれてないな。これで後は魔剣に俺の強さを示して認めてもらうという流れ、完璧だ!
そう思っていたが、
???「…察し良すぎて怪しいわ!何が完璧よ!ていうかあんたがあたしを握ってる時点で考えてる事筒抜けだから。」
ウソだ、死にたい…美少女だとかはしゃいでたのとかイタイ妄想もバレバレってことじゃん…
でもこんな世界の美しいものを全て集めたような綺麗で可愛い魔剣ちゃんを離したくない。
これが一目惚れってやつか…
???「な、なに言ってるのよ!!まだ会って数秒しか経ってないのによくそんな言葉が出てくるわね。それに私魔剣よ!そこのおっさんが言ってた通りかなり強力な!怖くないの?」
そう言われても握ってる今も怖い感じとかないし、君の呪いがなんなのかも知らないから怖がりようないよね!可愛いし。
でもそうだな、まずはステータス見せてもらってもいい?俺のも見ていいから
???「ふん!まあいいわ、皆私のこと知った瞬間に怖がって逃げ出すんだから。あんたもどうせ同じでしょ…」
そういう魔剣の声音には少し寂しげな雰囲気があった。
俺はそれを特に気に留めず、ステータスを確認しようとした時魔剣が騒ぎ出した。
???「はぁーーー!!??アンタのステータスバグってんじゃない!!??」
失礼な!ちゃんとしたステータスですよ!
???[うるさい!こんなスキルたくさん持ってるやつなんて聞いたことないわよ!
伝説の勇者や神代の魔物だって5,6個しかもってなかったんだから!!
レベルの割にステータスも高いし、アンタ何者!?]
うーん、何者と言われても困るが…
強いて言えば天使に愛されしものかな(笑)
???「ふざけてんじゃないわよーーー!!」
どうやら愛しの魔剣ちゃんはかなり興奮しているらしい。
まだなにか言っているが何を言っても今は無駄だろう。落ち着くまでは放置しよう。
別に早く魔剣のステータスを見たいとかじゃないんだからねっ!
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魔剣ティルフィング ランク:LR
はるか昔に優秀なドワーフによって作られた伝説の魔剣。
何者をも寄せ付けないほどの圧倒的な能力を秘めた剣だが、それと同時
に強力な呪いを込められている。
攻撃力:34000 知 性:20000
耐久力:22000 速 度:19000
精神力:20000 幸 運:-500
装備者全ステータス30%UP
呪い
一度鞘から抜くと誰かを殺さずにはいられなくなる。
例えそれがどんなに大切な人であっても。
また、どんな願いも3回叶えてくれるが、その後持ち主は死んでしまう。
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おっふ、これは想像以上にヤバイな…ちょっと引くレベルだ。
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