第20話 ボルシチの味
「厳冬の地で味わったボルシチの味」
北極圏内のロシア・サハリン州を訪ねた。
2005年の旅でロシアの名物料理を、地元の人に聞いたところ「ボルシチ」は、我々の代表的なもので是非味わって下さいと、言われてレストランでそれを注文しました。 メニューを見るとロシア語で色々と書かれています。
何分とも食べてみないと美味しいのか、美味くないのか、判断が出来ません。
「ボルシチ」は、日本で言う野菜スープであります。
ロシアでは、昼にしか食べないそうです。
私は思いました「何時食べても勝手だろうに・・・」と考えましたが、いかんせん異国の地での事、それに従う事にしました。
テーブルに運ばれたボルシチは真っ赤なスープが皿一面に広がっています。
キャベツ・人参・玉ねぎ・ジャガイモ・そして好みの肉「鶏肉・牛肉・豚肉などの何れかが」加わっています。
厳冬の地でのボルシチは、「美味しい」の一言そして身体を芯まで温めてくれるのです。
家庭料理が基本であるボルシチは、北海道で言うところの三平汁に、とても似ている料理です。
各家庭では母の味であり、その味はそれぞれの家で違います。
知り合いのロシア人の家庭に招かれた折に、ボルシチを作って欲しいとお願いしました。そこの奥さんは気軽に「判りました。美味しいボルシチを作ります」と喜んで応じてくれました。
夕食であるにも関わらずその家庭では、当方の為に腕によりをかけて瞬く間に作り上げてくれました。この味は、レストランの味とは違い「何か個性的な味」であり食の文化を感じました。
難しい表現ですが、美味しいと言えばそれ以外に単語が見当たらないのです。
奥さんは「ボルシチは明日が美味しいのです。その日が来たら又明日が美味しいのです」と一度作ると三日も四日目に味が深まると助言してくれました。
そして、我が家でもボルシチを作りましたが、ロシアで味わったあの美味しい味には、残念ながら到達していませんが、作ってから二・三日経過してからのボルシチは、味が浸透してとても美味しい料理に変身しています。
友達の奥さんが指摘した通りになりました。
熱いボルシチは、食べていると血管が膨張して血の巡りが良くなって行く様に感じられます。
味も好し・健康に好し・栄養価も好しの、三好料理です。
ボルシチの原料は赤ビーッであります。
この赤ビーッは、近年日本で人気を呼んでいる野菜でもあります。「飲む輸血」と呼ばれて特に女性のファンが増えているとの事です。
当方は、昨年から貸農園で赤ビーッの生産を始めました。
自家製で消費する以外は、近所の奥さん方に「ボルシチの作り方教室」を開いて消費拡大に協力しています。
赤ビーッの種は、当然ロシア産を仕入れています。
今年は、新たな料理として「ボルシチ丼」の試作品に挑みます。
発想の原点は、ロシアのボルシチとコラボした日本の食文化の代表である丼を掛け合わせた料理なのです。
2021年は、新型コロナを吹き飛ばして、ボルシチ丼が認知される年になる事でしょう。
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